出版社内容情報
飽食の時代の日本人が忘れてしまった“こどもたち”。彼等の遊びの中の生き生きとした表情が一つの昭和を描き出す。?「筑豊のこどもたち」や、幻の名作「江東のこども」を含めて収録した新編集。
昭和の生んだ偉大な写真家である土門拳は絶えず日本の現実を真正面から見据え、激動の時代?昭和?の一瞬一瞬を記録して来た。そこには時代の持つ真実とその時代に生きる人々が彼の言葉で言えば「絶対非演出」の姿で写し出されている。 戦後50年を記念して発刊されたこの「土門拳の昭和」全5巻の中で「こどもたち」は又特別の意味を持った一冊となっている。戦争という日本の歴史の中で最も大きな激動を挟んで日本人は大きな変貌を遂げた、その姿を一番象徴しているのが「こどもたち」の顔ではないだろうか。様々な社会の動きの中でこどもたちはその表情を変えている。いわば時代を写す鏡として今あらためて私たちに昭和という時代を教えてくれる。戦前の乏しい農村。戦争中の国民学校の生徒。戦後の浮浪児。昭和20年代の道路や広場で遊ぶ子供たち。そして原爆の惨禍の傷を負った姿、貧しさの中に取残された筑豊のこどもたち。そのすべての姿の中に時代が存在する、貧しくとも生き生きと遊ぶ戦後間もないころのこどもたちの表情を見ると今本当の豊かさとは何かと考えさせられる。いつの時代でも真実の姿を見せてくれるのは「こどもたち」といえよう。
内容説明
「筑豊のこどもたち」「江東のこども」等の名作を含め、今は見ることのできない生き生きとした「こどもたち」の姿を収録。