内容説明
沙漠の聖地カヴルで天真爛漫に育った男装の少女ラビサは、“シムシムの使者”として旅立つことに。シムシムは水をもたらす奇跡の樹で、その種子を植えるに相応しい町を広大な砂漠からひとつだけ探すのだ。旅立ち直前、カヴルが盗賊“砂嵐旅団”に襲われ、ラビサは突如現れた少年ジゼットに救われる。そして二人は逃れるようにカヴルを離れ、運命の旅に出た!砂漠を舞台にドラマチックな物語が始まる。
著者等紹介
倉吹ともえ[クラフキトモエ]
『沙漠の国の物語―楽園の種子』で第1回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
78
単純に少女小説を期待し読み始めたら、ファンタジーとして設定や世界観が練り込んで作られていて驚いた。内容にしっかりしたテーマがある。なのに物語が、人物が弾んでないのが大問題。生真面目すぎる文章に場面転換のキレの悪さ会話のセンスがイマイチなどといった点が壁になり、読んでいてあまり楽しくない。ストーリーもドラマもちゃんとあるのに、語り口で損してるタイプの作品。まあこの時点で著者はデビューしたての新人だし、この後の成長込みの大賞受賞作ではあったんだろうな。世界観には魅力あったので洗練を期待していずれ続刊を読もう。2016/07/14
kohaku
13
題名通り、砂漠の国の物語。重すぎず軽すぎないテンポが読みやすく、世界観も好み。シムシムの種子を巡り見えてくる真相が面白い。そして何よりラビサとジゼットが良い味出てます。また、この一冊で充分纏まっているので最後まで楽しく読了。続編も気になるところ。2011/10/01
七色一味
12
読破。はっきり言って表紙買い! これがデビュー作ということで、まだまだ世界観を作りこめていない部分、ぎくしゃくとした部分はあります。なんとなく読んでいて北アフリカの沙漠ではなく、中央アジアの沙漠を想像させてくれます。惜しむらくは、宗教観というものが薄く、その分沙漠の民のバックボーンが曖昧かな。シルクロード、アジアとヨーロッパの混ざり合う文化、そういった実際にあるモノが、物語の中で活かせていれば、もっと味わいのあるファンタジーにもなったかと思います。2014/10/09
刻猫
5
良いファンタジー。世界観が好みだった。軽さと重さの比率も良いし、テンポ良く物語が進んだので読みやすかった。主人公二人も魅力的で良かった。表紙に惹かれたけど、内容にも大変満足。2011/09/05
わらび
5
シムシムの種を持って旅に出るラビサ。自分の思惑を隠しつつ同行するジゼット。種を狙って襲ってくる盗賊の砂嵐旅団。まあ主人公がラビサなので シムシムがもたらす富を享受し続けてたからこその視点かな?カヤル側からすると こうなるよなぁって展開にちょっと鬱。でも続き読みたいです。 2010/10/13