内容説明
傷ついたこころはどのようなプロセスを経て回復するのか。第一級のサイコセラピストによる感動のドキュメント。
目次
1 「生きている」という実感がなかった女の子―三代にわたる病理の感染
2 “三〇〇人格”を共有していた姉と弟―解離のこころの能力
3 太陽のように明るく人なつっこい女の子と、闇のなかの孤独な女の子―分断されたふたつの世界
4 子どもの世界に適応できなくなった少年―外側(日常)を見る目と内側(こころ)を見る目
5 大人の争いのなかに巻き込まれた女の子―こころとこころの対話
6 突然怒りが爆発してキレてしまう青年―なぜ衝動が起きるのか
7 生まれる前からお母さんを守っていた女の子―不幸のカプセルのなかで三代続いた一体化
8 身体症状に苦しむ母親を背負っていた男の子―憎しみと怒りの違い
9 ずっと両親に我慢して反抗期のなかった女性―子どもの問題は大人の問題
10 母親の虐待で苦しんできた女性―切り捨てた傷を引き戻す
著者等紹介
網谷由香利[アミヤユカリ]
東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科人間科学専攻(臨床心理学領域)博士後期課程修了。博士(人間科学)。臨床心理士。専攻は、臨床心理学、分析心理学。佐倉心理療法研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オリーブ
11
最近「子は親を救うために『こころの病』になる」と言う本を読んで、問題行動を起こし、親を苦しめる対象だと思っていた子どもが実は親の苦しみを救おうとしていた事実に驚きと感謝の気持ちが湧いたのだがこの本でも再確認出来た。世間では「前向きに生きろ」とか「過ぎたことは忘れて」と言うポジティブ志向が正しいんだとされているが、内なる子どもの声に耳を傾けることなくそう言う言葉を投げかけるのは更に追い詰めることになることを皆が知るべきだと思った。<光を生きるためには対極にある闇も生きる必要がある>と言うのが特に印象に残った2014/11/04
奇跡のバーシ
4
10の事例が紹介されているが、どれも凄まじい。幼少の頃の母親との関係が傷として残っていて、それによって家族も含めて苦しめられる。この社会に沢山いると思う。身近にもいる。知らなくてはならない現実。ほっておくと国家を揺るがす問題になると思う。2015/09/04
奇跡のバーシ
1
再読終了。たくさんの事例が心に残った。2016/02/27
Megumi Iyoda
0
勉強になる、セラピー受けてみたいな2024/03/14
ペネロペ
0
心の病は人間が自分の心を守ろうとする、高度な防衛本能なんだなと知った。過去を無視しては前向きに生きることは難しいのかな。2022/07/18