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内容説明
私の名前は光。独立国・千葉国の国王護衛官、23歳。私がお仕えする国王陛下は21歳の陸子さま。私は陸子さまを愛し、陸子さまも、きっと私を愛してくださっている。しかし、ある日、陸子さまのお側仕えに15歳の美少女緋沙子が登用された時から、何かが壊れはじめた…。美しく、奔放で、いたいけな陸子をめぐり、宮廷で繰り広げられる恋の冒険、愛の闘い。話題沸騰の百合物語『どろぼうの名人』のサイドストーリーが登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹花 樒 - Shikimi Takehana
6
前作「どろぼうの名人」にも増して凄まじい作品だった。ここまで「百合」を深く考えたことはなかったなぁ。百合の根源にある本質としてどろぼうの名人が「停滞」という要因から百合を形作っていたのに対し、本作では愛情への飢えから来る「孤独」から形作っていた。「孤独」の反証としての包括的な「家族愛」を通して百合を描いたわけですね。言わば王室とは家族であり、陸子にとっての緋沙子は子供の頃の自分自身。そこに二人を誑かす光が現れ――”子供の頃の陸子”、”母親になった陸子”、”光”の三者が織り成す濃密で淫らな百合が圧巻でした。2009/04/13
Hammer
5
中里十という人は本当にワンアンドオンリーな作品を書く人だと改めて実感。とりあえず百合モノではある、でもそれだけではとても言いあらわせない物がぐるぐると渦巻いている。きれいなものを組み合わせていったらいつの間にかすごい怪物が出来上がったようなというか。しかしその怪物はグロテスクなのにきれいで儚い。本作も美しくて恐ろしい、儚くてたくましい、鋭くてやさしい、そんな矛盾する感覚が湧いてくる。でもその矛盾は全体としてはまとまっていて、美しく巨大な構造物を作り上げている。そんなみごとな一冊。あとわりとエロいよ。2011/01/12
ろびん
4
面白かったけど滅茶苦茶疲れた……。2020/02/15
縁栞
4
★2 前作「どろぼうの名人」より濃かったです。 百合を超えた百合を もうひとつ越えてみるか、といった感じw なんか結末があっさり気味なのが残念。2017/06/15
とめこ
4
圧倒されてしまった。どろぼうの名人で出てきた独立国『千葉国』の国王陛下・陸子と、その護衛官である光を中心とした濃厚な百合物語。どろぼうの名人よりもさらに生々しく濃厚で淫靡な雰囲気でした。ちょっと心理描写が分かり難かったかな。千葉の情勢とかも読んでるうちに分からなくなってしまった。個人的にはどろぼうの名人の方が好きだけど、こっちのドロドロの主従百合も良かったです。イラストの陸子さまがとてもかわいらしくて良い。2016/03/16