出版社内容情報
時間を逆行し生きる女性と中年男の愛の日々
数ある山田太一の小説作品の中でも、初期の最高傑作。骨折で入院中の主人公・田浦の病室に列車事故にあった患者が運び込まれる。衝立ごしに出会った女性患者・睦子との不思議な一夜から、信じられない物語が始まる。主人公が再会した彼女は「若返って」いたのだ。老女から少女、そして幼女へ、さらには……。彼女は自らの若返りを止める術を持たない。二人はいつか訪れる関係の終焉を予感しつつも、互いを愛おしみ、逢瀬を重ねる。
「これは決して悲劇ではない。著者が二人の主人公たちと我々に見せてくれた、美しく壮大な夢の景色だ」(道尾秀介「解説」より)
内容説明
大腿骨を骨折して入院中の孤独な中年男・田浦は、二人だけの病室の衝立越しに出会った女性患者と不思議な一夜を過ごす。「私を犯して下さいますか」男と女の“声”だけの情交から、信じられない物語が始まる。再会した老女・睦子は「若返って」いたのだ。逢瀬を重ねるたびに、若い女性から少女へ、そして…。時間を逆行して生きる女性と中年男の、激しい愛と快楽の日々、やがて訪れるであろう別離の予感―。男と女は残された短い日々を感動的な終末に向かって走りつづける。リアルな描写と驚くべきストーリーが奇跡のように溶けあう名作。
著者等紹介
山田太一[ヤマダタイチ]
1934年東京生まれ。大学卒業後、松竹大船撮影所で助監督を務める。その後、数々のテレビ・ドラマの脚本を執筆。主な作品に「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など。1988年長篇小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
団塊シニア
chika
おさむ
きょちょ