小学館文庫
悲しみの聖母

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  • サイズ 文庫判/ページ数 364p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094087659
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

巡礼の港町、奇跡のイコンを巡る禁断の物語

1863年、春の大嵐で難破したギリシャ船の乗組員たちを救ったイコン「悲しみの聖母」。小さな港町カルコスに辿り着いたイコンは乗組員たちによって教会に祀られ、奇跡を起こすと評判になる。生き延びた船長の甥はイコン絵師になり、子孫たちも優秀な絵師として名を馳せ、カルコスは巡礼者たちの絶えない町になった。
美術品を愛するヘルメスもまた、評判のイコンを一目見ようと町を訪れる。しかし、ヘルメスの旧友で美術鑑定士のカーラにより、イコンが贋作であることが明らかに。そんな中、イコン絵師の末裔であるソティリスが漂流中の船内で遺体で発見される。ヘルメスは彼の死に疑問を持ち、真相究明に乗り出す。
神話の地ギリシャを舞台に、欲望や嫉妬、憤怒にかられた人々が起こす悲劇。謎の旅行者である「太った探偵」ヘルメスがその謎を解き、裁きを下す好評サスペンスシリーズ第4弾。

アン・ズルーディ[アンズルーディ]
著・文・その他

ハーディング 祥子[ハーディング ショウコ]
翻訳

内容説明

エーゲ海に浮かぶカルコス島には、今日も“悲しみの聖母”のイコン(聖画像)が起こす奇跡を求めて大勢の観光客が訪れていた。島に立ち寄った「太った探偵」ヘルメスは、イコンが偽物であると気づき、調査を始める。同じころ島に一人しかいないイコン作家の死体が見つかる。篤い信仰を集める、本物の“悲しみの聖母”の行方、生まれてはいけなかった禁忌の子、ロマの民が十年ぶりに島を訪れた理由などの秘密が暴かれたとき、ヘルメスは永遠に許されぬ罪に苦しむ人々の存在を知るのだった。はたして“悲しみの聖母”が起こした奇跡とは?大好評サスペンスの第四弾。

著者等紹介

ズルーディ,アン[ズルーディ,アン] [Zouroudi,Anne]
1959年英国生まれ。リーズ大学でロシア語を専攻後、旅行会社などに勤務し、ギリシアの島に滞在。現在は英国ダービーシア州ピークディストリクトに息子とともに住む。主人公ヘルメス・ディアクトロスが活躍する『アテネからの使者』(2007年)がデビュー作で、08年ITV3ミステリー賞やデズモンド・エリオット賞にノミネート、注目を集める

ハーディング祥子[ハーディングショウコ]
東京都生まれ。早稲田大学第一文学部および英国のクライストチャーチ・カレッジを卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハルト

8
読了:○ ギリシャを舞台にした「太った探偵」ヘルメスが主人公の、イコンを巡るミステリ。シリーズものでしたが、これから読んでもさほど問題なく。ギリシャの海の青さや空のまぶしさの下で活躍する、太ってはいるけれど洒脱さある探偵。イコンに秘められていた悲しい過去。さらりと読めて、また探偵やギリシャの風景や食べ物などが魅力的でおもしろかったです。2014/02/15

gakurin

1
エーゲ海の小島、カルコス島の観光資源は、「悲しみの聖母」というイコンのみ。そのイコンをめぐるいくつもの悲劇、暗い秘密、終わりのない苦悩、それらをディアクトロスが解きほぐし、明らかにし、苦しむ人々にやすらぎの日々をもたらす。悲しみが深いほど、エーゲ海は美しく輝く。2015/06/19

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