出版社内容情報
影隠密・多々羅醇堂の痛快時代劇第二弾!
遠山金四郎の命を受けて江戸の闇を暴く多々羅醇堂。表の顔は御家人、裏の顔は、忍術使いの「影隠密」。シリーズ第二話。向島と品川の沖で見つかった男女二人の変死体の謎を調べるうちに、金四郎から老舗旅宿を営む肥前屋源右衛門の怪しい動きを調べよとの指令が。江戸の大火で焼き出された人々に手を差し伸べる「お助け講」の中心人物が肥前屋なのだが、この男、シーボルト事件に連座しながらも、お咎めなしの疑惑の人物。シーボルト事件とは、蘭学にかぶれた幕府の高官がご禁制の日本国地図を長崎出島駐在の医官シーボルトに渡したという前代未聞の大事件だ。その舞台となったのが旅宿肥前であった。曰く付きのこの男の好意は善意なのか、偽善なのか。醇堂が密かに調べを始めるうちに、高名な蘭学者、そしてその美貌の娘が行方不明になっていることがわかった。黒船がたびたび訪れ、折しも日本は開国を迫られている時期。弱腰の幕閣に不満を抱く旗本藤倉大膳が肥前屋と組んで何かを画策しているらしい。醇堂は黒装束に身を包み敵陣へ乗り込んでいく……。
解説の文芸評論家の末國善己氏は「これぞ捕物帖の面白さ。読むだけで江戸の風情が満喫できる」と大絶賛。
第一章 桜吹雪
第二章 漂流死体
第三章 謎の浪人者
第四章 卯の花くだし
第五章 紅毛宿の女
第六章 急流勇退
第七章 二軒茶屋
第八章 驟雨
第九章 疾風怒濤
第十章 憤怒
第十一章 千石船
終章 炎上
内容説明
多々羅醇堂は遠山金四郎の命を受けて江戸の闇を暴く影隠密。得意の忍術を駆使して難事件の数々を解決する。人気シリーズ第二弾は、シーボルト事件の謎に迫る…。向島と品川の沖で見つかった男女二人の変死体の謎を調べるうちに肥前屋源右衛門という旅篭の主人が浮かび上がってきた。この男、シーボルトが日本地図など国外持ち出し厳禁の物品を所持していた事件に連座しながらも、お咎めなしを受けた疑惑の人物だった。そんな折り、彼の屋敷を舞台に孤高の兵学者、そしてその美貌の娘が行方不明になっていることがわかった…。
著者等紹介
谺雄一郎[コダマユウイチロウ]
1946年静岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。出版社で雑誌編集に携わった後、文筆業に。編集者時代、隆慶一郎、池宮彰一郎、安部龍太郎らのデビューに関わった。処女作『十三人の刺客』(小説版)で話題を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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