小学館文庫<br> 日米開戦の真実―大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く

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小学館文庫
日米開戦の真実―大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 436p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094085860
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0195

出版社内容情報

歴史に学び、21世紀の日本の道を探る

ポスト冷戦後の世界は、帝国主義時代に近い構造を持っている。
このような世界で日本が生き残っていくには、どうすればいいのだろうか。
北方四島、尖閣諸島問題を見れば、最近、日本外交が「八方塞がり」に陥っていることは新聞や雑誌の論評を読めばよくわかる。日本外交の歯車が狂い始めているのだ。こんなときに、安直な対症療法ではかえって事態を複雑にし、病状をより深刻にする。いまこそ腰を落ち着けて、歴史に学ぶことが重要だ。歴史は繰り返すのである。
1941年当時、日本が対米戦争に踏み切らざるを得なかった。急速に発展するアメリカという帝国主義国と妥協はできなかなかった。妥協をすれば、日本はアメリカの保護国、準植民地になる運命を免れなかった。
NHkラジオの連続講演をもとに1942年1月に出版された、大川周明の『米英東亜侵略史』は、アメリカの対日政策の分析において、客観的および実証的なものだった。
過去の歴史から学び、現下日本国家そして日本人か抱える外交政策の困難な問題を克服する緒が得られるとの考えから、佐藤優が『米英東亜侵略史』を丁寧に読み解き、21世紀の日本の方向性を示唆している。


佐藤 優[サトウ マサル]
著・文・その他

内容説明

真珠湾攻撃直後のNHKラジオでの連続講演をもとに、一九四二年一月に出版された大川周明著の『米英東亜侵略史』は、アメリカの対日政策の分析において、客観的および実証的なものだった。なぜ日本は対米英戦争に踏み切ったのか。アメリカの「太平洋制覇」戦略、執拗な満蒙への介入、イギリス植民地政策の実態などを緻密に分析し、「戦わねばならぬ理由」を大川周明は導き出していた。現在の地盤沈下する日本国家そして日本人が抱える外交政策の困難な問題を克服するヒントは過去の歴史にあるとの認識から、著者が『米英東亜侵略史』を丁寧に読み解く。

目次

第1部 米国東亜侵略史(大川周明)(ペリー来朝;シュワード政策;鉄道王ハリマン;アメリカ人の気性と流儀;日本が屈服した日;敵、東より来たれば東条)
第2部 「国民は騙されていた」という虚構(佐藤優)(アメリカ、ソ連双方が危険視した思想家;アメリカによる日本人洗脳工作;アメリカ対日戦略への冷静な分析)
第3部 英国東亜侵略史(大川周明)(「偉大にして好戦なる国民」;東印度会社;印度征服の立役者R.クライヴ;イギリス人歴史家の記録;阿片戦争;我らはなぜ大東亜戦争を戦うのか)
第4部 21世紀日本への遺産(佐藤優)(歴史は繰り返す;大東亜共栄圏と東アジア共同体;性善説という病;現代に生きる大川周明)

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
1960年生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。著書『自壊する帝国』(新潮社)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

太田青磁

28
国民が政府・軍閥に騙されて勝つ見込みのない戦争に追いやられたというのは、戦後になってから作られた神話である。われわれの祖先は、アメリカから追い込まれやむを得ぬ事情で戦争に突入し敗れた。東京裁判が日本人が二度とアメリカ人、イギリス人などに歯向かわないようにする教育の場であることを正確に認識していた大川周明の、米英東亜侵略史を読み解きながら、印度を虐げ支那を阿片漬けにしたイギリス。国際連合を主催しながらこれに加わらず、軍需資材を止め戦争に追い込んだアメリカに対し、性善説で自滅した自国の歴史を振り返る一冊です。2013/09/21

金吾

27
◎面白かったです。大川周明に対する認識が改まりました。一貫した理念に基づく論理的な考えは一読の価値がありました。またそれに関する著者の考えも参考になりました。2021/12/06

しーふぉ

20
大川周明のラジオの講演を元に出版された米英東亜侵略史を佐藤優が解説している。大川周明と言えば右翼の思想家で極東裁判では東条英機の禿頭をペチペチ叩いた人物と言う印象を持っていた。アメリカのダブルスタンダード(フィリピンや中南米に対する植民地支配と中国に対する門戸開放政策)など真っ当なことを述べている。ただし、アジアの植民地からの解放をどこまで信じていたのかは疑問。2015/08/09

masabi

19
大川周明が太平洋戦争に至る経緯を説いた連続講義をまとめた『米英東亜侵略史』から本書が書かれた2005年の日本を読みとく。東亜秩序建設の目的が欧米のアジア支配からの解放を唱っておきながらその手段が列強と同じ植民地支配だった点に指導者や国民の自己欺瞞を感じる。たとえ植民地化した後で国力増強を図ることを狙っても同じ志でなければ袂を別つ結末しか見えないが,そこが性善説の限界で日本の外交の限界でもあるのだろう。2015/01/29

月をみるもの

15
"ここでの大きな問題は、「他の諸国から収奪されているあなたの国を将来解放したいのだが、今は私に基礎体力が欠けるので、当面、基礎体力をつけるために、期間限定であなたから収奪する。それがあなたのためになるのだ」という論理は、収奪される側からは、まず受け入れられないにもかかわらず、当時の日本人に見えなかったことである"  ⇦ いくらなんでもそんなわけねーだろ、見えてたけど確信犯としてやってたんだろ、、、と後知恵で思うわけだが、、、(続く)2018/11/11

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