内容説明
キリハラキリコの住むキリキリ町では、おかしなことばかり起こる。生徒が誰も来ない始業式の教室。贋作マンガを売る古書店。蕎麦がにゅるにゅる飛び出すシャワー。季節ごとに必ず起こる停電。毎月一日になると、時の流れを教えにやってくる暦屋他…。周囲で起こる奇妙で愉快でちよっぴり哀しい出来事を、キリコは一年間の日記形式で綴る。やがてキりキリ町には数ヶ月にも及ぶ大停電が訪れ、キリコの日記にも最終ページが記されることに―。従来の小説形式を打ち破る不条理で不思議で自由な物語空間が、読む者を未体験のワンダーランドへと誘い込む。
著者等紹介
紺野キリフキ[コンノキリフキ]
1979年北海道生まれ。筑波大学卒業。2003年『キリハラキリコ』で第四回小学館文庫小説賞佳作を受賞、06年同名の単行本で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメフトファン
46
なかなか面白かったです。なんか昔読んだ吉田戦車の漫画を思い出しました。摩訶不思議な世界観ですね。特に面白かったシーンが100円のラーメンの話。なんでこの話が青春ドラマのようになるのか、、思わず笑ってしまいました!2013/12/12
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
39
読み終わりたくないと思いながらも、つい一気に読んでしまいました。日記形式で書かれる不思議な町の不思議な人々。ポンコツなロボット太郎、不運な無職の男ミスター水村、ジェントルマンな暦屋の紳士、オマセな暦屋の娘、不思議な本を売る古本屋キリキリ、伝説の変態ゴトウ、いつも湯上がりの艶っぽいアケミさん等々。読んでいる間、キリハラキリコと一緒に、この町の住人になっていました。2015/03/04
ダリヤ
37
いちねんぶんの、キリハラキリコちゃんのにっき。かのじょのまわりのへんなひとたち、いみのわからないふしぎなできごとやあそび。ふしぎでおもしろく、そしてかなしくつづられていくこのにっき、きらいぢゃないっておもった。2011/11/04
のほほん@灯れ松明の火
36
不思議ワールド炸裂でした!基本的に不思議系のお話は、ちょっと苦手なんですが、この本は別!! 面白かったです♪ 100円/600円ラーメンのところ、「この前は100円だったのに…」って、大笑いしながらも哀愁漂うシーンだなぁって、しみじみしちゃいました。最初の教室のシーンが あんな風につながっているなんて…。なんだか、すごい本でした!2011/03/09
あんこ
35
嗚呼、二冊目にこれを読んで、はまってしまったじゃないか。知らない町の知らない日常。舞台的な言い回しに、時々笑いがくつくつとこみ上げる。完成された世界観だなあ、とおもう。本当に、存在したりして、ともおもう。シュールかつ夢があるのに、なんとなく哲学的、倫理的なものを考えてしまうことがある。とてもふしぎな話でした。ぐいぐい読んでしまいます。さいごは、なんだか胸が締め付けられた。ミスター水村(だめなやつ、でも憎めない)と裏保健室の先生(乱暴なブラック・ジャックみたい)がとてもすき。2015/01/14
-
- 和書
- 地震と火山の観測史