出版社内容情報
両親を亡くした兄妹は、母の兄で北海道に住む獣医の元に引き取られる。そこで出会った一匹の子犬、なんと絶滅したはずのオオカミの子供だった。大人たちの思惑と子供たちの純真が巻き起こす感動の動物映画を小説化。
内容説明
小学生の昂としずくは母親の夏子が心臓の病気で入院したため、夏休みを北海道で過ごすことになった。羽田空港から旅立ったふたりを待っていたのは、夏子と五年前に離婚した父・生野大慈とその妹の千恵。大慈は東京の動物病院で働いていたが、いまは故郷に戻り、獣医として野生動物救命所に勤務している。母親の病状を気にしながらも、北海道の大自然に心を動かされる昂としずく。ある日、カメラマンをしている千恵と出かけた森で、しずくは傷ついた仔犬を見つける。ウルルと名づけられた仔犬だったが、日本では絶滅したはずのオオカミに著しく特徴が似ていた。
著者等紹介
百瀬しのぶ[モモセシノブ]
1967年、東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cozicozy
20
読了前に、公開されたばかりの『風立ちぬ』を鑑賞。感動の物語に、映画館だったので涙をこらえつつの鑑賞となりました。こちらも、涙なくしては読めない物語でした。動物との交流に、留まらない、心の交流(ウルルとの心の交流、親子の心の交流、夫婦の心の交流)が描かれ、また子ども(昴としずく)の成長物語でもあります。人はなんと不器用なのかと、思わされました。不器用だからこそ、心のうちを全部ではなくでも少し伝えることで、心の交流が持て、少しずつ寄り添えるのではないかと思いました。偶然に、手に取った本ですが、とても良い出逢い2013/07/22
バニラ
8
少し物足りなかったかな…でも、優しい物語。2015/01/25
moonanddai
6
まあジャケ買いでしょうW。私もイヌとオオカミは別物だと、ずっと思っていたので、いくら鉛におかされていてもあの程度のリアクションではおさまらないのではないだろうか…、とか大人げないことを考えて読んでいました。でも、ウィキペディアによれば、近年の「分子系統学」(物語では「分子生態学」の研究者が出てきます。)の研究によると、オオカミを馴化したのが犬であると考えられてきているとのことです。なら、このような展開もありか…。ともあれ一つ勉強になりました。2019/11/17
加野桃花
6
すごく読みやすかった。最後の場面ではやっぱりこういう運命かぁと思いました。それが自然の掟でもあるんだろうなぁ、としみじみ思った。2013/02/11
KAN
3
めっちゃ感動した。意味の分からない言葉がたくさんだったけど、がんばって読めた。最後らへんで、ウルルがいかくして、昴たちがつらそうだった。ウルルもかわいそうだった。2014/06/25