内容説明
小学三年生の大志は父親とふたり暮らし。母はデザインを勉強するためにパリに留学していると聞かされていた。パリから届く手紙を、大志は楽しみにしていたが、ある時、同封されていた写真に不審を抱き、調べるうちに、母はパリではなく、瀬戸内海の小豆島にいることを知った。〈どうしてパパは嘘をついているのだろう〉小さな胸に生じた疑問を解くため、大志は愛犬のアンを連れ、母が買ってくれた黄色い自転車に乗り、横浜から五百キロ離れた小豆島への旅へ出かけるのだった。旅の終わりに大志が知る真実とは?涙あり笑いありの感動映画を完全ノベライズ。
著者等紹介
藤田杏一[フジタキョウイチ]
1948年、広島県生まれ。明治学院大学英文学科卒業。少女向けコミックや写真集などの編集者を経て、文筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
58
年寄は子供に返るといわれるが、「母を訪ねて3千里」のマルコにも泣いた覚えが。今の時代に小学生も3年でこれだけの冒険ができるだろうか・・母親に会いたいという願望がなせた業と素直に涙した。北海道の山の中で迷子の男の子。たった一つしか変わらない。誰かに助けられているといいが・・。2016/06/02
あやっぴ
28
「大人は嘘ばかりつく」小学生の男子が、犬と一緒に自転車で旅に出る。遠い遠い場所だが、この子にとってはそれだけ強い思いで決断した旅なのだ。困難の連続だったけど、旅先で助けてくれる見ず知らずの大人たち。それに対してきちんとお礼の言えるこの子はかっこいい。どうなるのかと思ったけど…よかったね!2023/08/14
赤い肉球
14
初読み作家さん。読友さんらの頂き本。映画のノベライズらしい作品だなぁと。出来すぎな感じは否めないけど、良い作品でしたね。昔々に観た映画「レナードの朝」を思い出してしまった。少年と同世代の小学生にオススメですね。実際にこんな大人の小学生がいるかは疑問ですが、冒険する事によって大人になるんだと思います。映画も観てみたくなりました。2016/08/06
パンダ
4
大志君の素直さ、アンの愛くるしさがすごく可愛かったです。 アンとの旅は困難な道のりだったけど、素晴らしい出会いに恵まれ、温かい気持ちになれました。お母さんの事実は子供には 辛い現実になってしまったけど それを受けとめた大志君に感動しました。 最後は何となくハッピーな気分になって、終われたのも良かったです。2016/12/30
n.urabe
3
お母さんに会いたい一心で、自転車にのって会いに行く男の子の話。色んなつじつまを合わせて、一歩一歩成長していく。