内容説明
戦国時代の争乱が収まって平和となった、開府以来六十余年の江戸―。長崎奉行だった父・黒川与兵衛正直の娘である花世は、長崎で蘭方医学を学び、柳庵と呼ばれる治療所を開いていた。そんな市中で、首筋を十字に切られて男が相次いで殺された。警戒を強めるなか、花世の下で働く吉蔵が襲われ傷を負う。背後に切支丹の影が見え隠れし、花世は亡父への想いを秘めながら事件に立ち向かう。江戸市中を不安に陥れようとする、犯人は誰なのか。すべてを見通した花世は、心優しい解決策を提示するのだった。
著者等紹介
小笠原京[オガサワラキョウ]
東京本郷生まれ。武蔵大学名誉教授。専攻は、中近世日本文学、日本演劇史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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