内容説明
捕物帳作品といえば、江戸時代の江戸市中を舞台にしたものが主流の中で、本作は、時代も舞台も異色中の異色として大喝采を浴び、1978年、第八十回直木賞を受賞。81年には、桂枝雀主演によりNHKでテレビドラマ化された作品。ユーモアに溢れ、痛快至極の有明ワールドが完全復刊。
著者等紹介
有明夏夫[アリアケナツオ]
本名/斉藤義和。1936年大阪生まれ。45年に戦災で福井に疎開。同志社大学中退後、会社員を経て、72年『FL無宿のテーマ』で第十八回小説現代新人賞を受賞。79年、五度目の直木賞候補作『大浪花諸人往来』で第八十回直木賞受賞。2002年12月没
細谷正充[ホソヤマサミツ]
1963年埼玉生まれ。文芸評論家。時代小説、ミステリーを中心に、評論・執筆に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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莉玖
3
知人からのお薦め本。明治の時代の大阪(だけではないですが)の様子が生き生きと描かれていて、とても面白い。物語の中に描かれている街中の様子と、現在の様子を比べるように読んでいました。これは楽しい。シリーズを一気に読んでしまうのは勿体無いので、ゆっくり読みましょう。2017/12/28
はちくま
3
「大阪ラビリンス」で目を付けたなにわの源蔵シリーズ、さっそく手に取ってみましたよ。面白い!手に入るうちに読めてよかった!源蔵さんも、周囲を取り巻く皆さんもいい味出してます。でもってさすがに大阪、いちいち食べ物も美味しそう。そして謎解きはしっかりと。次巻も続けて大事に読みます。2014/12/15
まさ影
3
各話の最後に付く、海苔問屋のご隠居が書く報告記事の粉飾具合が絶妙で、おもしろい。この工夫は素晴らしいなぁ。2014/10/31
みつひめ
3
明治の浪花が舞台の捕物帳。海坊主の親方さんの活躍を、海苔屋のご隠居が新聞記事にするという結末が、ひとひねりあり。枝雀師匠のドラマがまた見たくなりました・・・。2009/03/07
Hula
2
★★★★★ 直木賞(第80回 昭和53年)「大浪花諸人往来」の再版本2015/12/24