内容説明
財団法人“日本の自然と伝統を守る会”理事長が、十津川と名乗る男に殺された?!捜査に乗り出した十津川警部は、自らの名前が騙られたことに驚き戸惑いながらも奈良県十津川村へ向った。日本一の面積をもつ村、十津川村には世界遺産に指定された熊野古道が残り、全国に知られるようになった。現地に足を踏み入れた十津川警部の前に新たな殺人事件が―。全国津々浦々を駆けめぐり事件を解決してきた名警部十津川が、その名の由来となった十津川村を巻き込んだ事件に初めて遭遇した。数ある“十津川警部シリーズ”にあってエポックとなる作品、待望の文庫化。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年(昭和5年)東京生まれ。都立電氣工業学校卒業後、48年人事院に勤め、三〇歳で退職、作家活動に入る。63年『歪んだ朝』でオール讀物推理小説新人賞受賞。65年『事件の核心』(後に『天使の傷痕』と改題)で江戸川乱歩賞受賞。78年にトラベルミステリーの先駆となる『寝台特急殺人事件』で爆発的人気を得て、81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞受賞。05年には日本ミステリー文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
slider129
14
嫁さんの父が十津川出身で兄弟親戚が今でも居るので、義父が帰っている頃を見計らって我が家も年に一度ほど遊びに行きます。 本当に陸の孤島のようで、滞在中は都会の喧騒を忘れさせてくれます。 作品に出てくる昴の郷のロビーで本書を見つけたのが本書を読むきっかけです。 内容は十津川村を舞台にしているだけあって十津川の歴史については興味深く読ませていただきましたが、肝心の物語の出来はイマイチ感が拭えません。 十津川の史実の記述は著者の取材の賜物とは思いますが、十津川村の登場人物全てが方言を話さないのはいただけません。 2015/11/29
秋庭誠
6
【メメタァ】☆8 十津川警部が奈良県十津川村に行くという、なんともメタな作品。肝心の推理はやや単純な気がする(なんせトラベルミステリーの人だから) が、十津川村の歴史については少し詳しくなれたのかな?っつ感じです。最後のページの宣伝ワロタ。湯河原だけでなく、十津川村にもあるのか…。うーむ、ファンとしては行くべきなのか…?2013/04/07
桂 渓位
5
十津川警部が、十津川村に来た~の、歴史ミステリー📙 カメさんの発熱の必要性が分かりませんが、日本一広い村・十津川村の魅力はしっかり伝わってますね✨2022/09/08
チャカチャカりきりき
5
本当に十津川警部、この村と何の関係も無いの?(設定上の話で)
Ms.H
5
以前、十津川村へ行ったことがあり思わず借りてしまった。ミステリーとしちゃ単純すぎるが、そこを十津川村の歴史や風土・村民気質などと絡ませているところが、ミステリーの大御所の力業なのか?十津川村の郷土資料館や吊り橋・温泉・警察署・私の目の前で出て行ったたった1台の救急車が、5時間たっても帰って来なかったことを思い出した。2011/02/12