内容説明
一九五二年秋。アーカンソー州は綿花の収穫期にさしかかっていた。天候と相場に左右されながら、借地農家のチャンドラー家はかつかつの生活をしていた。借金を抱えながら豊作の期待を高めて働く一家が洪水によって離散の淵に沈むまでを、七歳の少年ルークの目から語られる。季節労働者の少女タリーに胸を高鳴らせ、喧嘩のあげくの殺人で無実を証言させられ、さらにタリーが男と家出…。少年は心に秘密を抱え込み、苦汁と別離に直面する。リーガルスリラーの巨匠グリシャムが故郷アーカンソーを舞台に描き出す、米国が失ってしまった郷愁の世界―。
著者等紹介
グリシャム,ジョン[グリシャム,ジョン][Grisham,John]
1955年生まれ。ミシシッピ大学ロースクール卒業。弁護士活動ののち、ミシシッピ州下院議員をつとめる。著書多数
白石朗[シライシロウ]
1959年東京生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務を経て英米小説翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mura_海竜
116
長編を読みたく手に取る。法律サスペンスが多いが本書は異色作品。著者出身地のアーカンソー州の綿農家の生き様を描いた。年代は1952年ごろで第一次産業から第二次産業に人が移る最初の頃か。主人公7歳のルークを通して、物語が進む。広大な畑作業の収穫は重労働、山地民とメキシコ人の手を借り、そこで起こる町での暴力事件やイベント、うわさ話、人間模様を緻密に表現。ルークは好奇心旺盛で、事件を見て多くの「秘密」を抱える。人の気持ちの表現が秀逸で流れる様に拝読。大人も子供も大自然の中に生きる「タフネス」を見た。2020/12/20
やすお
1
朝鮮戦争当時、アメリカの片田舎の日常が淡々と綴られているので、正直前半は読み進めるのがちょっとしんどかった。半分ほど過ぎると徐々に先が気になるようになってきた。 まあまあ面白かったかな。 2022/08/10
Mario
0
☆☆☆2015/08/28