出版社内容情報
京都発!食捜しなら鴨川親娘におまかせあれ
京都・上賀茂神社の近くに移転した「鴨川食堂」。元刑事の父・流と娘のこいし、そして料理人である浩の三人で営むこの食堂は、どんな思い出の味も捜し出し、食べさせてくれるという――。
第一話 スポンジケーキ……25年前のときめきを
第二話 雑煮……特別なおもてなし
第三話 蕎麦鍋……人生のはじまり
第四話 ホットドッグ……嘘か実か
第五話 牡蠣フライ……母の責務
第六話 ヒレの網焼き……片隅の思い出
心もお腹もじんわり温まる6つのストーリー、大人気シリーズ第11弾!
内容説明
京都・上賀茂神社の近くに移転した「鴨川食堂」。元刑事の父・流と娘のこいし、そして料理人である浩の三人で営むこの食堂は、どんな思い出の味も捜し出し、食べさせてくれるという。過去と決別するための「スポンジケーキ」、生きる希望となった「雑煮」、恩師の自宅に招かれて食べた「蕎麦鍋」、お金を貸した青年がいつも差し入れてくれた「ホットドッグ」、母がお弁当に入れていた「牡蛎フライ」、癌を患う夫が食べたがっている「ヒレの網焼き」…。シリーズ第十一弾となる本作でも、鴨川親娘は依頼人に寄り添います。美味しくて心温まる大人気ミステリー最新作!
著者等紹介
柏井壽[カシワイヒサシ]
京都生まれの京都育ち。テレビ番組や雑誌の京都特集で監修を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
82
シリーズ第11弾。上賀茂神社の近くにリニューアルオープンした鴨川食堂。こいしと料理人の浩で店を切り回す。食の探偵事務所は流がメインとなり、探偵依頼を受けるスタイルになった。スポンジケーキ、雑煮、蕎麦鍋、ホットドッグ、牡蠣フライ、ヒレの網焼きが今回の食の思い出。相変わらずの展開だがそのマンネリズムがうれしい。元日の能登地震が物語に描かれていて時間の流れも見せていた。まだまだ続けて欲しい。2024/10/19
真理そら
61
穴水の震災には作者さんも驚かれたことでしょう。上賀茂に引っ越した鴨川親子&浩で新しい出発のはずが、浩くんは穴水に行ってしまい…。過ぎた日の悔いのようなものがテーマになる話の中で「カキフライ」は野心的な現役感溢れる物語だった。なぜまずいと思い込んでたんだろうという疑問も残りつつ気持ちよく読了。2024/07/23
ひさか
49
STORY BOX2024年1月号:スポンジケーキ、2月号:雑煮、書き下ろし:蕎麦鍋、ホットドッグ、牡蠣フライ、ヒレの網焼き、の6つの連作短編を2024年7月小学館文庫刊。シリーズ11作目。引っ越し後の鴨川探偵事務所は流さん、こいしさんの二人三脚的な調査、推理で回っていくようです。依頼から2週間後の謎解きは一層洗練されて、しゃれた定番化になりました。2024/10/05
Karl Heintz Schneider
45
前作では鴨川食堂のある地域が再開発の対象となった。10作目ということでキリがよく、シリーズ完結かと思われたが今作では上賀茂神社の近くに居を移し店も再開。まだしばらくは続きそうだ。しかも今作から依頼人の話を聴くのが流、現地調査をするのがこいしと役割も逆転している。「うちでは特に金額を決めてませんねん。お気持ちに見合うた額をこちらに振り込んでください。」各話の最後に流れが必ず言う決まり文句。みんな一体どれぐらい払ってるんだろうと気になる。行き先にもよるだろうけど10万?20万?北海道や沖縄だったらもっと?。2024/09/16
tetsubun1000mg
39
「鴨川食堂」シリーズ、しばらく読んでなかったけど引っ越したんだね。 10年位前シリーズをよく読んでいたころにNHKプレミアムドラマとして流役が萩原健一、こいし役が忽那汐里が演じていたのを思い出す。 食堂や衣装、流さん、いしさんも文章そのままの雰囲気を再現した心に残るドラマだった。 いろんな背景の客が「味の探偵」を訪れるのだが、題材になりそうにない地味な方から、食の分野で野心を持った人まで登場して意外な食探しの依頼となる。 食の謎の解決のシーンが鮮やかで、登場する京都らしい食もたっぷりで舞台を盛り上げる。 2024/09/08