出版社内容情報
戦争と難民──今を生きる私たちの物語
近所のスーパーの総菜売り場で働く真依子は、サラリーマンの夫、大学生の奈月、高校生の賢人の四人家族だ。職場でのいじめに腹を立てたり、思春期の息子・賢人に手を焼いたりしながら、日々を慌ただしく過ごしている。奈月が、夏休みに友人と海外旅行へ行くと言い出した。真依子は、奈月の代わりにパスポート申請に必要な書類を取りに行った。戸籍謄本と戸籍抄本、二つの書類をもらうと、戸籍謄本の真依子の出生地の欄には、カタカナの国と市が書かれていた。子どもたちには伝えていない。奈月には戸籍抄本を渡した。パスポートを手にした奈月に行き先を尋ねると、「ベトナム」と答えが返ってきた。友人たちと旅の準備を進める中で、奈月は真依子から戸籍謄本を見せられる。
「わたしね、ベトナム人なの」
「わたしたちね、ボートピープルだったの」
奈月は自分のルーツを受け入れ、ベトナムに向かった──。家族小説の気鋭が、世界を広げて挑む新境地!
【編集担当からのおすすめ情報】
野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した『しずかな日々』、累計約20万部のヒット作『るり姉』、神奈川本大賞受賞の『明日の食卓』。家族小説の気鋭が、ベトナムから来日したボートピープル一家の運命を描く。過去のことでも、遠い国のことでもない、今を生きる私たちの心を揺さぶる感動作。
内容説明
スーパーの総菜売り場で働く真依子は、サラリーマンの夫・克典、大学生の奈月、中学生の賢人の四人家族だ。奈月が、夏休みに友人と海外旅行へ行くと言い出した。真依子は、娘の代わりにパスポート申請に必要な書類を取りに行く。出生地の欄にはカタカナの地名。奈月たちに伝えていないことがあった―。一九七八年、ベトナム戦争終結後、体制の変わった祖国を逃れ、幼い母は家族と船に乗る。辿り着いたのは日本だった。出自を知った娘は、自身のルーツを辿る旅に出る!家族小説の気鋭が、世界を広げて挑んだ新境地!解説は、小説家の早見和真さん。
著者等紹介
椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年神奈川県小田原市生まれ。2002年『十二歳』で講談社児童文学新人賞を受賞してデビュー。『しずかな日々』で07年に野間児童文芸賞、08年に坪田譲治文学賞を受賞。17年『明日の食卓』で神奈川本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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