小学館文庫<br> 彼女の知らない空

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小学館文庫
彼女の知らない空

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094067538
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ぼくは、自分の正義を貫くことができるのか

憲法九条が改正され、自衛隊に交戦権が与えられて初めての冬。航空自衛隊佐官のぼくは、千歳基地に配属され、妻の智恵子と官舎で暮らしている。しかし、智恵子は全く知らない。ぼくが、一万二千キロ彼方のQ国の無人軍用機を遠隔操縦し、反政府組織を攻撃する任務に就いていることを。トリガーを引いたら、ぼくは自衛隊史で初めての殺人者になる。それでも智恵子は、いつものように優しい声で「おかえりなさい」と言ってくれるだろうか――(「彼女の知らない空」)

いつの間にか、私たちは戦争に加担している。

化粧品会社の新素材の軍事転用をめぐり、社員夫婦が抱えてしまった秘密(「思い過ごしの空」)、過重労働で心身を蝕まれていく会社員と老人の邂逅(「東京駅丸の内口、塹壕の中」)他、組織の中で生きる人々のジレンマを描いた7編。

ぼくは、あの日誓った正義を、貫くことができるのだろうか。

『未必のマクベス』著者が、今を生きる私たちの直面する危機について問いかける短編集。



【編集担当からのおすすめ情報】
日々流れてくるニュースに希望が持てない時、働くことに疲れた時、組織の中で自分を無力に感じた時……。手に取っていただきたい1冊です。

内容説明

憲法九条が改正され、自衛隊に交戦権が与えられた冬。空自佐官のぼくは、妻の智恵子と千歳基地の官舎で暮らしている。しかし、智恵子は知らない。ぼくがQ国の無人軍用機を遠隔操縦し、反政府組織を攻撃する任務に就いていることを。ぼくは彼女の知らない空で戦争をしている―。表題作の他、化粧品会社の新素材の軍事転用をめぐり社員夫婦が抱えた秘密、過重労働で心身を蝕まれる会社員と老人の邂逅など、組織で生きる人々のジレンマを描く七編。抗えない状況で自らの正義が揺らぐ時、何ができるのか。今、私たちが直面する危機について問いかける短編集。

著者等紹介

早瀬耕[ハヤセコウ]
1967年東京都生まれ。92年『グリフォンズ・ガーデン』でデビュー。二十二年ぶりに発表した長編『未必のマクベス』は、本の雑誌「おすすめ文庫王国2018」恋愛小説部門一位に選ばれ、話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

101
7つの短編。身につまされすぎて辛い。私自身の職場は決してブラックではないけど、組織の一員としてのミッションと個人の信条のコンフリクトは、ゼロではない。過労死に至るプロセスも全く縁がないとは言い切れない。でも何より衝撃だったのは、仕事の最終目標がより多くの人の命を奪うことに直結する世界があること。そして、必ずしも戦地に赴く必要がないこと。普通に出勤して戦争して夕方には帰宅。そこで使われる武器に関わる多くの技術者たち。グロテスクな世界は既に現実のもの。個としてどう対峙すべきか?さらっと読めるけど、重い一冊。2020/06/04

chantal(シャンタール)

86
早瀬さんはきっと今の日本や世界の情勢に危機感を抱いているんだろうなと思わせる短編集。やっと4作目、ほんとに寡作な作家で登場人物もいつの間にか私と同世代になっているが、それでも筆致は相変わらず透明感があり瑞々しい。今も世界のどこかで紛争があり、日本から遠く離れているからと言って自分とは無関係なのか?大きなもの、社会や会社に流されて自分の正義や尊厳を曲げていないか、傍観者になっていないか、誰かの犠牲の上に胡座をかいていないか?そんな事を考えさせられる。最終話の結末は早瀬さんらしい泣きたくなるような余韻を残す。2021/05/04

南雲吾朗

72
現代の労働環境に潜む公然とした悪弊を鋭く描いている。「正直者は莫迦を見る。」「うまく立ち回りができない人間は淘汰される。」今の社会は、そういう人たちの犠牲の上に成り立っている。弱者を切り捨てる社会機構は絶対におかしい。10年以上も会社勤めをしてきた早瀬さんだから、このようなテーマで書けたのだろうし、また、早瀬さん自身が会社勤めの中で常に不器用な人たちを救おうとしてきたのだろうと言う事がうかがえる。とにかく面白く、それでいて考えさせられる本であった。管理職の人達にこそ、読んでほしい本だと思う。2020/03/18

kou

69
確かにブラック企業って、軍隊と変わらないのかもしれない。もしかして、自身も知らない所で戦争に荷担しているのでは?と思ってしまい、少し怖くなった。表題作の「彼女の知らない世界」みたいに、自国から他国にドローンで軍事行動に参加し、帰宅し家族と夕食を団欒・・・それが当たり前になっていくのだろうか。って言うか、もうそういう世界になっているのかな(汗)。2021/04/28

おかむー

68
既刊を4冊まで積んでようやく初読みの作家さんの7つからなる短篇集。『もうすこしです』。40~50代の夫婦や組織との関わりを模索する物語は、「軍事に転用される技術」「無人機を扱う自衛官」「戦争と過重労働に生き残ることの対比」など特殊な題材を軸にすることで独特の作風になっている。がしかし、全体に結末が難解というか正解ではない諦念を含む微妙なもので爽快感はない。7篇中『彼女の時間』は波長が合う感じ、逆に『閑話』は終始意味が理解できなかった。既読の作家さんのなかでは平野啓一郎に近いかな。2020/06/13

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