小学館文庫<br> コンカッション

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小学館文庫
コンカッション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 445p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094062809
  • NDC分類 783.46
  • Cコード C0197

出版社内容情報

米国で今一番スキャンダラスな映画の原作!

戦火のナイジェリアに生まれ、アメリカに渡り監察医となったベネット・オマルは、ある時NFLの元スター選手マイク・ウェブスターの脳を司法解剖する。マイクは引退後に異常行動を取るようになり、破産、離婚。ホームレス同然となり、心筋梗塞で死亡した。
オマルはマイクの脳に、ある異常を発見する。実は異常行動を起こして死んだ選手は彼だけでなく、その選手たちの脳にも同じ症状が見られたのだ。オマルは激しいタックルを繰り返すことが原因と結論づけて論文を発表するが、NFLは彼の主張を受け入れず、逆に彼に圧力をかけはじめるーー
約6000人の選手がNFLを告訴し、オバマ大統領が「自分に息子がいたらフットボールのプレーを許可しない」と発言するなどアメリカ全土を巻き込むことになったアメフット脳震盪スキャンダル。その裏側と、選手の命を守るためにたった一人で巨大組織NFLに立ち向かった医師を描いた衝撃の実話。
ウィル・スミス主演の映画は制作中からNFLとの軋轢が報じられ、2016年の「白すぎるオスカー」の犠牲になったと言われる、アメリカで最もスキャンダラスな映画の原作がいよいよ日本上陸!



【編集担当からのおすすめ情報】
「2年連続で演技賞に一人も有色人種がノミネートされていない」ことを理由に、多くのハリウッド関係者が欠席を表明したことが世界中に報じられた2016年アカデミー授賞式ボイコット問題。実は映画「コンカッション」の主演俳優ウィル・スミスも演技を高く評価され、オスカーを有力視されていたにも関わらず、今回は落選。スミスも「白すぎるオスカー」の犠牲となったという見方もあり、その後、スミス夫妻は授賞式ボイコットを表明するという顛末がありました。
本作の文中にも、主張が無視され落胆するオマルに対し、「君が白人だったら状況は違っていた」と仲間に言われるシーンがたびたび登場し、今なお解決することのないアメリカの人種差別の現実について考えさせられます。
また映画製作中には製作側とNFLとの軋轢が報じられるなど、スキャンダラスな要素をたくさん含んだ本作ですが、その中でもアフリカ移民である主人公が「アメリカの正義」を体現していく姿は感動的です。
スポーツものであり、医療ものであり、一人の男の成長を描いた一気読み必至のノンフィクションです。ぜひ読んでみてください!

内容説明

ナイジェリア移民の監察医ベネット・オマルは、ある時NFLの元スター選手マイク・ウェブスターの脳を司法解剖する。マイクは引退後に奇行を繰り返し家庭も破綻、最後はホームレスとなり死亡した。オマルはマイクの脳に、ある異常を発見する。実は、奇行や記憶喪失に苦しむ元選手は彼だけではなかった。オマルは、激しいタックルを繰り返すことがその原因と結論づけ論文を発表するが、NFLは彼の主張を受け入れず、逆に彼を徐々に追い詰めていく。全米が震撼したNFL選手六千人の集団訴訟の裏側と、選手の命を守るため立ち向かった医師を描く、衝撃の実話。

目次

凋落
突っ走る
螺旋
アメリカ
空想
遺体安置所
発見

攻撃
争奪戦
変人
安心領域

父さん

著者等紹介

ラスカス,ジーン・マリー[ラスカス,ジーンマリー] [Laskas,Jeanne Marie]
ジャーナリスト、ピッツバーグ大学教授。“GQ”“ニューヨークタイムズ・マガジン”“ウォールストリート・ジャーナル”“ワシントンポスト・マガジン”に寄稿している

田口俊樹[タグチトシキ]
1950年、奈良県生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

79
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました!NFLはたまに観る程度ですが、あれだけ激しいぶつかり合いをしていると身体特に脳に大きなダーメジを与えているのは、残念ながら大変納得出来ます。単純にアメリカン・フットボールの後遺症に留まらず、本件を暴いた医師の人生を描いたことで本書の深みが増しました。それにしても、アメリカでの黒人差別は根強く残っていて、元奴隷(NFLは黒人選手が大半)に生死に関わる激しいスポーツをさせて楽しんでいるWASPの構図が見え隠れします。2016/06/10

キムトモ

21
25年来のNFLファンなので、巨大組織NFL側の視点が少なく物足りなかったです…著者はNFLの取材をして良くも悪くもNFL側の視点も書かなければ、展開は一方的だし、イマイチ盛り上がらないですね、超〜超〜興味あるネタだけに超〜超〜超〜残念(-.-;)y-~~~(ノ-_-)ノ~┻━┻2012年の優勝はジャイアンツでしたっけ…2016/10/25

くさてる

17
NFL(ナショナルフットボールリーグ)の元スター選手の脳に異常を発見した監察医のベネット。NFLの試合が脳に損傷を与えている事実に気づいた彼は論文を発表するが、NFLとアメリカの人種差別が彼の前に立ちふさがり……という内容。とても奇妙な読み心地だった。ベネットの個性ある性格と移民としての背景は重く、頭を激しく打ち付けるスポーツが脳に損傷を与えるという事実を無視しようとするNFL(と世論)にも、驚きを覚えた。安易なハッピーエンドはここにはない。でも、絶望だけが残るわけでもない。興味深いし、面白かったです。2020/08/15

冬憑……(ふゆつき)

16
なんとも苦しい本であった。というのも、私は大のNFL好きであり、毎シーズンの観戦を楽しみにしている。故にこのNFL、延いてはアメリカンフットボールという世界を揺るがす本書は、ファン心理からすると如何ともし難い。だからこそファンならば、いの一番に知るべき事実であろう。スポーツはなんであれ、何らかの障害を身体にもたらす。だが協会は運営に不利になる情報に蓋をする。よく聞く話であるが、そこで終わらず、知り、考える事が重要である。NFLの腐敗と人種差別問題が紡ぎ出す本書は、考えるべき多くの議題を与えてくれたのである2016/05/19

スウィーニー校長

8
★★★★☆ 頭部への衝撃の蓄積により引退後認知症を発症し、奇行に走り50歳で自殺してしまったフットボール選手の脳を調べ、発見した事実の論文を発表した検察官 vs 圧力をかけるNFL。 最近、脳震盪の危険性を耳にする機会が増えたが、そのきっかけであるNFLでの騒動は知らなかった。 この映画の存在も知らなかった。 失神しない程度の衝撃でも認知症を発症した例があるので、サッカーのヘディングも危ないのかも。2020/06/27

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