小学館文庫<br> ベッドのおとぎばなし

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小学館文庫
ベッドのおとぎばなし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 508p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094061796
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

復刊第三弾は、男女の情事を描く傑作短編集

女友だちとの会食に向かう途中、にわか雨に降られた美也子は、駅前の本屋に駆け込んだ。軒下で雨宿りをしていると、隣に立つ男から声をかけられ、最初の一瞥で自分の好みの男の範疇に入ると見てとるが……(俄か雨――第一夜)。小学校の同窓会、四十代を目前にした男女が日曜のホテルのティーラウンジに集まった。卒業以来、ずっと断わり続けていた彰子だったが、参加する気になったのにはある特別な理由があった(同窓会――第九夜)。プレゼンテーションの準備を終えた夜、多加子は何度か食事を共にした男友だち・阿久津と飲みに行くことに。阿久津からの情事の誘いを軽くかわし続ける多加子の目の前に、別居中の夫が若い女性と一緒に現れ……(空車待ち――第十七夜)など全34編を収録。時代を超えてスタイリッシュな男女が織り成す情事、大人の女同士が繰り広げる愛憎劇を、流麗な文体で描いた短編集。

【編集担当からのおすすめ情報】
80年代に雑誌連載中だった本書を、密かに読むのを楽しみにしていたというフリーアナウンサーでエッセイストの雨宮塔子さんが解説! 「父は文芸編集者で、当時、森瑤子さんの担当だった」という雨宮さん。作品の企画の秘話から、フランス在住の雨宮さんだからこそ本書で気づいた男と女のあり方を、たっぷりと紐解いてくださいました。

目次

第一夜 俄か雨 9
第二夜 クレジットカード 22
第三夜 ブラディー・メリー 36
第四夜 二十五時 51
第五夜 金曜の男 66
第六夜 女友だち 80
第七夜 嘘 95
第八夜 オフィス・ラブ 109
第九夜 夜の編集室 124
第十夜 同窓会 138
第十一夜 友だちの夫 153
第十二夜 女心 168
第十三夜 クリスマス・イヴ 183
第十四夜 紙切屋 196
第十五夜 翡翠の耳飾り 209
第十六夜 猫とアレグリア 223
第十七夜 空車待ち 237
第十八夜 ささやかな幸福 252
第十九夜 恋の相手 266
第二十夜 カップルズ 280
第二十一夜 前に、どこかで 295
第二十二夜 クレイジー・ナイト 309
第二十三夜 鏡の中の女 324
第二十四夜 真夜中の電話 336
第二十五夜 結婚記念日 351
第二十六夜 姉妹 365
第二十七夜 春の嵐 379
第二十八夜 バラの棘 394
第二十九夜 匂い 409
第三十夜 海と風と 423
第三十一夜 幸せの風景 437
第三十二夜 一方通行 451
第三十三夜 汚れた爪 466
エピローグ ベッドの中へ 480
解説 雨宮塔子 495


森 瑤子[モリ ヨウコ]
著・文・その他

内容説明

親友の一絵から婚約中の男性を紹介された曜子。未だに処女の曜子は、親友の彼を見てすぐに、自分に属する男だと確信し、二人きりになった車中で彼に迫るが…(「翡翠の耳飾り―第十五夜」)。流麗な文章で男女の駆け引きを描いた、全34編収録の短編集。にわか雨に降られた都会の街角で。仕事帰りに立ち寄ったレストランのバーで―。偶然か必然か出会ってしまった男と女が、生々しくも艶やかに繰り広げる情事の数々。時代を越えてもなお、輝きを放ち続ける森瑤子作品のエッセンスが凝縮されています。

著者等紹介

森瑤子[モリヨウコ]
1940年静岡県生まれ。東京藝大卒業後、コピーライターとして広告代理店で勤務。1978年「情事」で第2回すばる文学賞を受賞し作家デビュー。都会に生きる大人の女性の恋愛や生き方を描いた作品は、多くの読者を魅了した。1993年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

80
 この世は、すべからず女と男で成り立っている。そんな日常で起きる女と男の恋の話―懐かしい同窓会での恋、偶然のきっかけでの不倫の恋、一夜の恋など―を軽妙な筆致でつづった、まさに《恋のおとぎばなし》の一冊。掛け値なしに愉しい面白い恋の短篇です。20年も前に書かれた作品だが、いくら文明が進化しても恋心はそうそう変化するものでありません。夫婦離婚の原因も、よくよく考えると実に些細なことの積み重ねの結果なようです。「女は他の女の持ち物に、単純に嫉妬する動物なのだ―服、宝石…そして、連れの男に。」は当たっていますか?2016/03/04

ねこまんま

37
いつだったか忘れるくらい昔に読んだ本。 再読してみると、著者に結構影響を受けていることに気づく。 当時、大人の女の見本のように思っていて、かっこいいなあって。 男女のドロドロも当時はもちろん知るべくもなく、いや今もたいしてないんですけど、彼女の本でお勉強した感じ。 20年以上前の作品なんで、当時のジェンダー意識とか、小道具なんかはちょっと時代を感じる古さはあるけれど、私は大好きだなあ。2016/08/04

クララ

17
20代のころ読み漁った森瑶子。亡くなってから書店で作品を見かけなくなり寂しく思っていたが復刊文庫として手に取ることができた。彼女の作品に出てくる女性は大人である。年齢がではなく生き方が。自立し、媚びず、おしゃれで、颯爽としている。しかし、貪欲で正直であるがゆえに生き方が下手な女性が多い。若い頃、彼女たちにあこがれて真似たしぐさが今では私の中に染み付いていることに今回読んで気づかされた。おしゃれな短編集。是非さくっと読んでほしい。2015/12/06

かおるん

0
偶然か必然か出会ってしまった男女が、生々しくも艶やかに繰り広げられる情事の数々。2019/03/14

goodchoice

0
まだ男が女を口説く、そしてその後におこることが秘め事と言われていた頃のショートストーリーが並んでいる。一遍一遍に女の複雑な感情の揺れが表されていて、まさに複雑な女心を見事に描き出している。今時は流行らないかもしれないが、こうした雰囲気がたまらなく好きだ。2020/03/01

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