小学館文庫
ぴしゃんちゃん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094060812
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ジョーハツ男としずくの女の子の心の交流

仕事も恋愛も、途中で重たくなって逃げ出してしまう”ジョーハツ男”は、万年水たまりのある小さな借家に住み、薬草を売って暮らしている。そんな彼のもとに突然現れたしずくの女の子、ぴしゃんちゃん。好奇心旺盛でおしゃまな彼女には、蒸発できないなんらかの”しずく的事情”があるらしい。一緒に過ごすことになった二人は、心を通わせていくが――。

「この本は、幼い子どもたちのために書かれた童話ではない。しずくが話をするなんてことは、物理的に絶対にありえないことを知ってしまっている大人の――それもある程度人生の苦さを知ってしまった――の、それでもなにかを真剣に信じてみたいと願う心に潤いを取り戻し、現実をやわらかく受け止め直すための、ひとときの白昼夢としての物語なのである」(東 直子)





【編集担当からのおすすめ情報】
著者みずから描き下ろしたカラーイラストを多数収録。ジョーハツ男とぴしゃんちゃんが過ごした春夏秋冬を、絵でもお楽しみください。

内容説明

小さな借家に住み、薬草を売りながらその日暮らしをしている「ぼく」は、期待されると姿をくらましてしまうため「ジョーハツ」と呼ばれている。仕事からも愛する女性からも、逃げ出してしまうのだ。ある日、そんなジョーハツのもとに突然現れたのは、好奇心旺盛でおしゃまなしずくの女の子、ぴしゃんちゃん。「あたしのこと、そんじょそこらの水滴と一緒にしないで」と主張する彼女には、蒸発できない“しずく的事情”があるらしい。似たもの同士の二人は心を通わせていくが―。彼らが過ごした春夏秋冬を著者自ら描き下ろした挿画も収録した、大人のための物語。

著者等紹介

野中ともそ[ノナカトモソ]
東京都生まれ。明治大学文学部卒業。音楽雑誌編集、音楽ライターなどを経て、1998年『パンの鳴る海、緋の舞う空』で小説すばる新人賞を受賞。小説の他、児童文学、翻訳、エッセイ、イラストなど幅広い分野で活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

94
仕事でも恋愛でも、周りから期待されると重圧から逃れるため姿を消すボクことジョーハツは、家の庭にできた水たまりで、しずく的事情から蒸発しない水しずくのぴしゃんちゃんと出会う。 おませで生意気なセリフと、色んなことをして遊ぶ、ぴしゃんちゃんの姿がとってもカワイイ。二人の関係はとても良い距離感で心が通い始める。しかし、何も変わらないジョーハツに対して、ぴしゃんちゃんは確実に成長していく。最後はジョーハツに見届けられながら生涯を閉じる。このくだりは本当に切ない。『誰かに会いたいと思う気持ちは蒸発しても消えない』2019/01/21

coco夏ko10角

21
ぴしゃんちゃんとイラストが可愛い。一緒に海に行くお話が面白かった。それから、時々切なくて。2015/07/30

六花

7
初めての作家さん。題名にやられて買っちゃいました。結果、買ってよかった!ぴしゃんちゃんは可愛いし、ジョーハツとの関係も微笑ましいし。と思ってたら、海女さんとの記憶とか、切ないところもあって。挿し絵もカラフルで、すごく好み。2014/09/13

rin

6
★★★★★…文庫にて再読。しずく的事情で蒸発できないしずくちゃんと、期待されるとその場から蒸発してしまうジョーハツの温かくてちょっと切ない物語。雨が鬱陶しい今頃の季節に読むのがピッタリ。こんなに愛嬌のある子しずくに出会えるなら雨も水たまりもどんと来い!しずくちゃんの何気ない一言や、好奇心旺盛な行動がジョーハツの心と一緒に私の気持ちまで明るく、軽くしてくれる。本当に大事なことは目に見えなくても消えたりはしない。ラストにじんわりと心が温かくなる。水たまりを見つけるたびにこの物語を思い出すだろう。2015/07/05

傘介

6
この物語、アニメにならないかな~動画で見たいな~。特に、庭の至近距離描写や、虫さんたちの声入りで(ニヒルなフンコロガシさんのファン!)。おしゃまで好奇心に満ちあふれた水しずくのぴしゃんちゃんと、いい加減なのに繊細なジョーハツ男のほのぼのした日々が軽やかなのに奥深い。ああ、ずっと読んでいたいなあ、終わらないでほしいなあ。と願いながらも、やっぱりこういうお話って終わりがくるもんだよね…。でも予想とはちょっぴり違うラストシーンにちと泣けた。これからは水たまりを違った目で見てしまいそう。2013/09/06

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