出版社内容情報
信長をなぜ弑逆したか。そして己の死まで何を考えていたのか。
秀吉は官兵衛にぽつりと、言った。「よう踊ったの、光秀殿は」「殿の深慮遠謀、恐れ入りまする」──本能寺で織田信長を弑逆した明智光秀は安土城に入り、信長の居室にいた。障子を開けた光秀の視界に湖水の青がとび込んできた。茫々と広がる湖、比叡、比良の山並み……。ふと、光秀は己が湖のただ中に独りいる錯覚を覚えた。(右府様は孤独だった)その思いが、今、鋭く烈しく光秀に突き刺った。“本能寺の変”の謎と十二日天下の光秀の動きに迫る秀逸時代長篇!
内容説明
秀吉は官兵衛にぽつりと、言った。「よう踊ったの、光秀殿は」「殿の深慮遠謀、恐れ入りまする」―本能寺で織田信長を弑逆した明智光秀は安土城に入り、信長の居室にいた。障子を開けた光秀の視界に湖水の青がとび込んできた。茫々と広がる湖、比叡、比良の山並み…。ふと、光秀は己が湖のただ中に独りいる錯覚を覚えた。(右府様は孤独だった)その思いが、今、鋭く烈しく光秀に突き刺った。“本能寺の変”の謎と十二日天下の光秀の動きに迫る秀逸時代長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅーま
2
明智光秀が本能寺の変を起こしてから山崎の戦いに敗れて死ぬまでを臨場感たっぷりに表現した歴史小説です。始めてこのようなジャンルの本を読んだせいもあって最初は馴染めないところもありましたが、光秀の焦燥や信長の孤独、細川氏の苦悩、秀吉の知略など光秀を取り巻く様々な人々の心情が丁寧に描かれており、すぐにお話に引き込まれてしまいました。切なくなるような読後感も好きです。2010/04/09
栗山いなり
1
本能寺の変からわずか十二日で訪れる転落という悲劇が哀しみを誘う歴史小説だった2020/01/05
ゆみゆみ
0
哀愁の漂う光秀だった。肝臓を患って先が長くないという設定だったが、作者も肝臓ガンを患っていたらしいので、自分とオーバーラップさせた部分があるのかな?2017/03/07