出版社内容情報
勝機を読み波乱の95年を生きた「最後の勝負師」唯一の自伝。
"「本当に儲けようと思うなら、自分で経済の動きに注意すること。」(本文より)個人としては破格の数百億円の株取引に成功し、「最後の相場師」と称せられた""是銀""が93歳で記した唯一の自伝。若干16歳で単身満州に渡って商売を始め、朝鮮半島で成功失敗を繰り返す。そして株。波瀾の生涯と地道な独学の日々から導き出される故人の珠玉の言葉の数々は、バブルが崩壊したいまも、勝負を決する名言である。"
内容説明
個人としては破格の数百億円の株取引に成功し「最後の相場師」と称せられた“是銀”が93歳で記した唯一の自伝。若干16歳で単身満州に渡って商売を始め、朝鮮半島で成功失敗を繰り返す。そして株―。波乱の生涯と地道な独学の日々から導き出される故人の珠玉の言葉の数々は、バブルが崩壊したいまも、勝負を決する名言である。
目次
第1章 “ほげたをたたいた”人生
第2章 少年実業家
第3章 好事魔多し
第4章 百発百中の先見力
第5章 四十にして立つ
第6章 二期作実践
第7章 腹八分目
第8章 欲ボケ自滅
第9章 逆転勝利
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
23
大手証券会社や企業による株式持ち合いによって個人投資家の存在が薄くなっていた1970年代の株式市場において、最後の相場師と言われるほど荒稼ぎした個人投資家がいた。その人は第一次世界大戦の青島攻略戦から商売に精を出し、しょっちゅう一門無しになりながら、そのたびに新たな商売に手を出し、最後は株式取引にのめりこむ。何回も人生をくりかえしているような凄い人が結構最近まで生きていたんだなと思った。2017/03/10
kubottar
18
株で長者番付一位になった人の話。いやあ、凄まじい生き方。博打打ちかと思いきや、勉強を90歳になっても続けてる努力の人でした。「勉強は好きじゃないが勝つためにはしなければならない」漢服しました。2022/07/15
isao_key
13
長者番付日本一にもなった相場師の自伝。株式売買やそれまで手がけてきた事業にも共通するのは、一つのことをすると決めたらとことん全身全霊を傾け、全財産を使って退路を断つだけの勝負をしていること。人生を常に真剣勝負で生きている。ただの相場師ではなく、終戦後日本の食糧事情をよくしたい思いから稲の二期作を研究したり、貧しい子どもたちに教育の機会を与えるため是川奨学金財団設立に20億円を投じたり社会事業家の面もあった。戦時中も自社の朝鮮人を待遇面で差別することはなかった。そこには社会的弱者へのいたわりの目が常にある。2014/09/14
太田青磁
12
家族五人を抱え、家賃は払わず、米代も払えない困窮生活の中で三年間、毎日のように嵐山から大阪の図書館に通いつづけ、経済関係の本や資料をあさりつくした・ダウや銘柄相場、非鉄金属相場と在庫、入・出庫状況、為替相場、金利、必ずこれだけは毎日記録に取る・政府は一兆円を上回る規模の大型予算を組むことを決定した。二十日あまりたった八月十三日土曜日、日本セメントは一年五ヵ月ぶりに百七十四円という高値を見せた・三月三十一日、住友金属鉱山株は千円の大台を越え、手仕舞いに入ることにした。十日間で千五百万株を処分していたのである2022/01/18
highsax @ シンガポール
11
七転び八起きの人生訓。決断力と行動力、そしてその前提となる勉強、研究が凄まじい。この本は投資家自伝系の金字塔。 投資だけではなくて、投資を通じた人生観が勉強できる。特に投資5カ条の一つ目、「銘柄は人が奨めるものでなく、自分で勉強して選ぶ」が、この本の自分にとっての収穫。2018/03/31