小学館文庫<br> 眼の壁

小学館文庫
眼の壁

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  • サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094023510
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

誰かが私を狙っている! 交通事故で視力を失った女性に迫る脅威の影。心理サスペンスの女王の初期の傑作!

「私を無数の眼の壁が取り囲んでいる、私を憎み、監視し、私が死ぬのを待つ人たちの眼の壁が」。交通事故で視力を失い、ボーイフレンドとの婚約を自ら解消しながら、なぜか彼を離さないケルシー。眼の壁は彼女の心の傷が生み出した幻想か? それとも誰かが彼女の命を狙っているのか? 不可解な出来事はやがて起こる惨劇の序曲だった。この作品はサスペンスの女王の傑作であり、待望の本邦初訳である。

内容説明

交通事故で視力を失い、ボーイフレンドとの婚約を自ら一方的に解消しながら、なぜか屋敷から彼を離さない富豪の娘ケルジー。眼の壁は彼女の心の傷が生み出した幻覚か?それとも本当に誰かが彼女の命を狙っているのか?バラバラな家族の絆が彼女のモルヒネ服用事件でにわかに、見えない緊張の糸でからめ取られ始めた。そしてついに不可解な死が…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みみずく

17
「自分を見張り、死ぬのを待つ人たちの眼の壁が私を取り巻いている」交通事故で視力を失った富豪の女ケルジーが洩らした不安。彼女の妄想なのか、又は本当に命が狙われているのか…?作者の初期の頃の作品らしく、持ち味のジワジワくる心理サスペンスの技はさほど感じられなかった。でも、ケルジーたちの母から受け継いだケルジーの意地の悪さ、姉アリスのプライドの高さと卑屈さ…兄ジョンの連れて来たショウダンサーの女とケルジーのイヤな感じのやりとりなど細かいところにミラーらしいところが見られて面白かった。2014/06/29

bapaksejahtera

16
1955年 「狙った獣」でデビュー前、戦前の作品。舞台はカナダで成程英国風階級感はあるが、階級間の距離は著しく近い。表題は壁から幾つもの眼が自分を見ていると妄想する盲目の女性が冒頭の主人公の為だが、他の登場人物も癖が強い。場面展開がぎごちなく、読むのに当初苦労したが、殺人事件が出来しシリーズの主人公サンズ警部登場以降はスムーズに流れる。最後に明らかになる種明かしもトンと胸に落ち、それ迄のギクシャクが帳消しになるように思えたが、それらを訳知りに語るサンズの長広舌が、いかにも推理小説のお約束めいて気になった。2022/08/22

混沌工房

6
《ミラー再読祭り》事故で盲目となってワガママ放大の金持ち娘。彼女に振り回される家族。一見、関係ないように思える、クラブのダンサーたち。何が事件に結びついて何が真実なのか、最後までわからない。読了して、ああ、ミラーだな~と思える一冊。2014/12/01

Kotaro Nagai

5
本作品は著者の第4長編で、1943年の刊行。ミラーの作品はこれが初めて。物語はカナダのトロント、ヒース家の姉が盲目の妹を診療してもらうため精神科医を訪ねるところから始まる。裕福なヒース家の人々の内情の描写が延々と続いて100ページを過ぎてようやく殺人事件が起こる。捜査を担当するサンズ警部はかなり個性的でユニーク。ミラーの筆致は登場人物の心理描写から事件の真相を明らかにしていく手法で進展していくがなかなか真犯人が読めない。最後の最後で意外な人物の意外な結末で幕を閉じる。なるほどそうだったのかと思わせる。2023/09/11

guriko

3
ミラーの他作品でも、親の遺産を配偶者ではなく子どもの1人が全て相続するというシチュエーションがあったような。トラブルの元にしかならんから止めれ。ケルジーが早々に殺され、思っていたのと異なる展開。そういう話だったのかー。2024/07/30

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