出版社内容情報
戦前日本でエリート教育を受けたカンボジア人の南方特別留学生・ウォンサニット。戦後シアヌーク時代に外交官、政府高官となり、日本人女性と共に激動の人生を歩んだ。ふたりは戦後日本が失った、かつての良き〃日本人の美質〃を守りつつ生きる姿を描く。
本書は第6回「小学館ノンフィクション大賞」受賞作品の単行本化企画です。戦前の日本でエリート教育を受けたカンボジア人が、日本で知り合った女性とともに、「日本人より日本人らしく」激動の人生を生き抜いていく。その生き方には戦後日本人が失った大切なものが残されている??という物語は、今日の「日本見直し」の風潮の中で、多くの読者に訴えかけるメッセージ性に富んでいると考えます。 貧しい農家に生まれ、日本でのエリート教育のあと帰国して外交官となり、シアヌーク時代には政府高官として活躍。そしてポル・ポト時代にフランスに亡命した彼を常に支えつづける日本人女性の存在ーー二人の絶妙な二人三脚ぶりが、この物語をさらに魅力的なものにしています。
内容説明
「日本人より日本人」として生きた南方特別留学生・ウォンサニットと千代の生涯。第6回小学館ノンフィクション大賞・受賞作品。
目次
第1章 向学心に燃えた少年
第2章 大東亜の残照
第3章 目覚めたカンボジア人
第4章 パリの無国籍者
第5章 ほんとうに学ぶべきこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
3
銀座Hanako物語でこれを知りました。国を思って日本に来た青年が日本人以上に日本の精神を大切にしていること、もちろんそれは自国に尽くすため。そしてその愛国の心を受け入れることをしない祖国。国というものは親のようなものなのですね。愛する祖国から愛されたいのだわ。いったん美しくインプットされた母国の記憶は、たとえそれがどのように姿を変えようと元のイメージを変えることはないのだわ。国に受け入れてもらえないウォンサニットさんに寄り添い続けた千代さんは、ウォンサニットさんに受け継がれている日本の精神に自分が大切に2014/07/04
fonfon
3
国も捨てて、ウォンサニットさんと運命を共にする生涯を送った千代さんの心の奥に潜むものを知りたくて何度も読み返してしまう。国とはなにか、親子とはなんなのか。男女とは?しみじみ考えてしまいます。2010/12/18
nekokone
0
カンボジアと日本