出版社内容情報
"バブル全盛期から現在までの国産・輸入車を徹底分析。クルマ選びの新しい視点を明快に提示した、二大巨匠による90年代""名車鑑定術""。"
世界最大の自動車生産を誇ったバブル絶頂期から、輸入車の快進撃が始まった90年代後半にいたる数年間は、日本自動車史上において最も大きな分岐点となった。なぜ日本車は衰退の道を辿ったのか? 輸入車旋風は日本人のクルマ選びをどう変えていくのか? 21世紀に向けた「日本車再生」のためのキー・コンセプトは何か? そして、真の名車の条件とは何か?……そうした問いに対する答えが、徳大寺・岡崎両氏の討論から、次第に明確になっていく。 本書は89年6月から96年5月まで、約7年間にわたって、雑誌『SAPIO』に連載された対論シリーズ「霊長類ヒト科のクルマ」の中から、55篇を抜粋・再構成したものである。対談が発表された当時は、どのメーカーも見向きもしなかった「安全」というセールスポイントや、RVの商品的可能性の提案、無定見な3ナンバー・ブームへの危惧、日本的ハイテク開発の危うさなど、両氏の主張は、いずれもこれからの日本車、日本の製造業全体の進路を考え直す上で、極めて示唆にとんでいる。 本書は、単なる新車紹介書にとどまらない。激動の90年代自動車シーンを俯瞰しつつ、日本を代表する2人のモーター・ジャーナリストの自動車観、クルマ選びの新しい視点が明快にわかる