目次
はじめに(加島祥造)
小さき花
また会いたいけど(金澤翔子・泰子)
あとがき(加島祥造)
著者等紹介
加島祥造[カジマショウゾウ]
1923年、東京・神田生まれ。早稲田大学英文科卒業。米国カリフォルニア州クレアモント大学院留学。帰国後、信州大学、横浜国立大学、青山学院女子短期大学で英米文学を教え、1995年より信州・伊那谷で、詩作、墨彩画などの制作を行なっている
金澤翔子[カナザワショウコ]
1985年、東京・目黒生まれ。ダウン症と診断される。5歳のときに、母・金澤泰子(雅号/蘭鳳)に師事し、書道を始める。2004年、19歳で雅号「小蘭」を取得し、翌05年、初の個展「翔子その書の世界」を開催。天才書家として注目を集める。その後、鎌倉・建長寺、京都・建仁寺で個展を開催し、建仁寺には大書「風神雷神」を奉納している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
154
人と人との出会いは常に不思議に満ちている。加島祥造氏と金澤祥子さんが出会い、そして生まれた一冊。…翔子さんの書は生きている。愛と美が力強さから伝わってくる。何も求めずに一心に命を咲かせている花のように、人の目を求めないものは美しい。…「静心」愛は静かなときに最もよく働く。優しい心でいるとき、いちばんよく動く。…人間は抱えているものを削ぎ落としていくと、本当に必要なものだけが見えてくる。あらゆる花、あらゆる水、あらゆる風に宿るもの。ひとりひとりのなかにも宿っている。受け入れる心。小さき花、極みのない美しさ。2022/02/21
masa@レビューお休み中
108
うつくしくて、やさしくて、躍動感がある。そこには魂が宿っているのではないだろうか。天才書家として注目をされる金澤さんは、ダウン症という病気をもっている。二人のインスピレーションから生まれた作品は、伸び伸びとしてうつくしい。書道のことはまったく無知だが、金澤さんの書を見ていると絵画を鑑賞しているような気持ちにさせられるのだ。温かい気持ちになったり、やさしい気持ちになったり…。そして、書があることで詩のことばが活き活きとしてくる。心にとどめることも、解放することも、すべて自由なあるがままの姿を見せられている。2014/08/27
新地学@児童書病発動中
95
『求めない』の詩人と書家のコラボレーション。短い詩と力強い書が一つになって、魂の一番深いところを揺り動かす素晴らしい内容。特に加島さんの言葉は知恵と慰めに満ちており、繰り返し読むことで自分の内面が浄化されて、晴れ晴れとしたものになると思う。気に入った言葉の一つをご紹介。「忘れないでほしい/あなたの命は/あなたを愛しているのだと」。2014/02/24
モリー
48
あとがきで、加島祥造さんは「人の目を求めず、命のかぎりただ咲く花のような美しさを伝えたいと思った」と語る。この言葉の前半部の逆を考えてみた。『人の目を意識し、作為的に創り出された美しさ』とでも言えるだろうか。ところで、人間の脳には「根幹脳」「情動脳」、そして「知性脳」があるそうだ。「知性脳」は言語や計算を含め、人類があとから発達させてきた部分だ。私はこれまで、この「知性脳」こそが人間らしさであり、素晴らしい能力だと信じてきた。老子の教えを伝える加島さんの言葉と金澤翔子さんの書に出会い考えを修正した。↓続く2024/08/17
喪中の雨巫女。
12
《展‐販売》金澤翔子展にて、書と詩のコラボが、素敵。2012/04/02
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- 和書
- 風車祭 〈上〉 角川文庫