内容説明
九十七歳の生年祝い「風車祭」を翌年に控えたオバァ・フジの楽しみは長生きと、迷惑をかえりみない他人いじり。あの世の正月と云われる節祭の日、島の少年・武志はオバァのさしがねで美しい盲目の幽霊・ピシャーマと出会い、恋におちてしまう。そのせいでマブイ(魂)を落とした武志の余命は一年弱。彼は無事、マブイを取り戻すことができるのか!?沖縄の祭事や伝承、歌謡といった伝統的世界と現代のユーモアが見事に交叉する、沖縄版「真夏の夜の夢」。
著者等紹介
池上永一[イケガミエイイチ]
1970年生まれ、沖縄県石垣市出身。94年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞する。98年には本書『風車祭(カジマヤー)』が直木賞候補になる。沖縄の伝承と現代が融合した豊かな物語世界を確立し、注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
64
沖縄、とりわけ石垣の民俗に興味があって、何かの書評に載っていたので読んでみた。なんだかなーって感じです。中途半端です。民俗を掘り下げるでもなし、お笑いでもなし、お色気でもなし、ファンタジーだと割り切って惰性で読んだ。かと言って、途中で放り投げるでもなし。少し消化不良気味の上巻です。ここまで来たので、惰性で下巻に進みます。2017/12/04
翔亀
39
【沖縄13】石垣島の97歳のオバァと高校生の武志、同級生の睦子とその悪ガキの妹。この4人は心身が分裂して、8人となり、228歳の乙女と豚の妖怪が加わる。オバァは長生きすることだけを生きがいとしている意地悪婆で5世代女家族に君臨する。島では祭りばかりやっていて沖縄語のわけのわからない唄ばかり歌っている。神がたびたび降臨する。。。いくらなんでも、何なんだこのトンデモ世界は。とてもついて行けない、、、とページを繰るとだんだん馴染んでくる。心身分裂は「マブィ(魂)を落とす」こと、228歳の乙女はそのマブィで↓2021/10/31
たまきら
30
沖縄のあの風が顔に感じられる、読んでいる間中そのことを思っていました。呪術的で時に呆れるほど世俗的な人物たちの描写に既視感をおぼえ、ずっとそれが何か悩み、読み終わる直前になって莫言のあの不思議な語り口調と似ているんだと思いました。自分たちが逃れることのできない血脈は、祝福であり呪いでもある。ぞっとしつつもおかしな、不思議な物語でした。2020/10/02
そふぃあ
21
マブイ(魂)を落としてなかなか見つからない時は、便所の神に頼めば探して拾ってきてくれるっていうのちょっと面白い2017/03/29
佐藤
16
思っていたより、一気に読めて面白かった!那覇、宮古島、多良間島に約二年間ぐらい住んでいたのでキャラが重なる人達がいたので懐かしさもあった。さすがにフジとギーギーはいなかったけど( ゚д゚) 下巻も楽しめそうです。
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