出版社内容情報
万年筆、ボールペンはもとより原稿用紙、ペーパーナイフ、はたまた「切手ぬらし器」なるものまでの文房具を取り上げ、その一点一点との想い出、こだわり、家族との諍いを交えて描いた50編のイラスト付きエッセイ。
著者の沢野ひとしさんは、作家・椎名誠さんとコンビを組んでいる売れっ子のイラストレーターです。文章も達者で、小説、エッセイなど著書も多数あります。 沢野さんは、たいへん「物」にこだわる人で、なかでも文房具への思い入れは生半可なものではありません。 本書は、万年筆、ボールペンはもとより、原稿用紙、ペーパーナイフ、水彩絵の具から切手ぬらし器、紙縒(こより)などまで全50品の文房具を取り上げ、それぞれへの思い出、こだわり、悲しさ、喜びをイラストとともに描いたエッセイ集です。 「本の窓」1997年1月号より2001年12月号まで50回にわたり連載され、読者の圧倒的人気を得た作品です。
内容説明
ワニ眼画伯は、なぜ文房具をそんなにも愛するのか。このエッセイを読めばその謎がわかる。全編イラスト付き。
目次
切手ぬらし器との出会い
父の紙縒
万年筆で書いていたもの
銅版画プレス機と妻の不満
嘘をつけないボールペン
おみやげにペーパーナイフ
手帳にはシャープペンシル
物差しいろいろ
不思議なメモ用紙のゆくえ
スマートな原稿用紙〔ほか〕
著者等紹介
さわのひとし[サワノヒトシ]
イラストレーター・作家。1944年、愛知県生まれ。91年に講談社出版文化賞さしえ賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
57
「切手ぬらし器」から始まる文具の話。イラストレーターという職業から、やや外れた話題の方が、かえって楽しい。思わず失笑する話もあるし、センチメンタルな思い出も。外国に行くとつい文具を買ってしまうという気持ちは、何だかよくわかるような気がする。今はデジタル化がさらに進んでいるが、ここに取り上げられたアナログ的道具の味わい深さは格別だ。ただ「カラス口」だけは、さすがに使ったことがない。2019/10/02
ぶんこ
43
さわのさんの拘りがいっぱい詰まっている本でした。 限定物の万年筆・BP・SPセットのSPだけを欲しかったのに、スペインー日本を2往復できる値段に驚きつつも買ってしまう! 惹きつけられて、買ってはならぬと思いつつも足が動かなくなる病を持たれているようです。 こういう男性方は多いですね。 私自身は万年筆と色鉛筆が好きなので、さわのさんの気持ちが少しだけ共感できました。 文房具屋さん巡りをしたくなりました。 特にニューヨークとパリ。 文具に特化した旅も素敵でしょうね。2015/09/10
こまっちゃん
8
さわのさんの、文房具愛溢れるエッセイ。買いっぷりが凄くて、憧れます。私は文房具は国産派なのだけど、欧米の文房具屋さんをいつか覗いてみたいですね。2022/02/22
こまり
6
文房具には何故か惹かれる。 沢野氏が国内外問わず、気になったものをどんどん手に入れていく様子が面白く書かれていて、クスッと笑いながら読むところも多かった。 私自身、色鉛筆、水彩絵の具、製図用のシャーペン、ボールペンその他もろもろ、見るとつい買ってしまう。 旅に出たら描きたい!という思いはいつもあるのだけれど、実行したことはない。いつか使うときがくるのだろうか? 2019/10/13
ジュースの素
5
沢野さんはシーナさんらに うすバカとかワニ目画伯だと言われる「いじられキャラ」だ。確かにちょっと野放図な所はある。しかし、そんな彼の文はとてもいいし、しみじみ味があって大好きだ。本もたくさん出している。 さて、文具大好きな私も驚くほどの文具ネタと、彼の文具にかける思いが凄く伝わって来る良本。彼も本で知ったのだろうが、ホッチキスの話やガムテープの話などウンチクも深い。それにしても高価な万年筆や色鉛筆などお金も相当に使ってるなぁ。2015/08/30
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