出版社内容情報
著者の生い立ち、家族、創作の内側など、自分の身辺を見つめるなかで、「生きている」ことの意味を問い、時代について語ったエッセイ73編。
作家・大佛次郎の生誕百年を記念する3冊のエッセイ・シリーズの第3冊め。 第1巻では『歴史を紀行する』、第2巻では『人間と文明を考える』というタイトルのもとに、『鞍馬天狗』や『パリ燃ゆ』『天皇の世紀』の作家が、歴史や旅、文明について語ったエッセイを集めました。いずれも人間を見すえる確かな眼を感じさせる作品ばかりです。 第3巻では、人気作家でありながら、自らを語ることの意外に少なかった大佛次郎が、自分の生い立ちや家族のこと、その周辺の人びとなどを率直に語ったエッセイを中心に、「記憶のなかに」「好きなものと嫌いなもの」「思い出の人々」という3章にまとめました。 一高生の青春時代、関東大震災のこと、妻との出会い、『鞍馬天狗』はどうして書かれたか、戦時中の満州や南方への旅の話、横浜や鎌倉のこと、大好きな猫のことなどは、作家・大佛次郎を身近に感じさせてくれるでしょう。が、これらの親しみやすい文章の背後に、作家の生きた「昭和」という時代の光と影がくっきりと現われていることに気づくことでしょう。「生きている」ことの意味を問いかけ、生きている時代について考えさせる、心にしみるエッセイ集です。
大佛次郎エッセイ・セレクション3
内容説明
自らの生い立ち、なつかしい人々創作の内側や好きな猫のこと、背後に浮かぶ時代の光と影…魅力のエッセイ73編。
目次
第1章 記憶のなかに
第2章 好きなもの嫌いなもの
第3章 思い出の人々