出版社内容情報
人はなぜ大きな事件に魅了されてしまうのか
噂は、軽薄な娯楽だ。
25年前、平穏だったはずの地方都市は、百貨店受付嬢誘拐殺人事件の発生、その報道により揺り動かされ、「噂」という大量の炎が、加害者のみならず被害者にも降り注ぎ、燃えさかった。ようやく静けさを取り戻したかに見える町に燻り続ける因縁が、いま新たな事件を呼び起こす――。
「もう言われてるよ! どうせ、親が殺したんだろうって!」――本文より
【編集担当からのおすすめ情報】
「今の私のすべてをかけて、書き上げました。
『ファイア・ドーム』、どうぞよろしくお願いいたします」
――辻村深月
デビュー22周年記念刊行作品
渾身の本格的現代長編ミステリー!
執筆開始から7年。ついに完成した、2026年を席巻する記念碑的傑作!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
74
本を読む面白さを、小説回帰で取り戻そうと、書店店頭に平積みされている辻村作品を手に取ったのが大正解。そのまま上巻を深夜までかけて一気読み。全体の構成、登場人物の設定、情景描写、SNS時代の社会現象の掘り下げetc.どれをとっても一級品だろうと思う。各方面に渡る綿密な取材、練りこまれたストーリーと心を抉る心理描写に堪能させられ、唯々ページを捲る。全くのフィクションである由、謳われているけれども、現実と見まがうばかりな物語の持つ真実性に感服させられる。今年一番の収穫を得た思いで、感動の赴くままに怒涛の下巻へ。2026/06/07
花ママ
53
25年前に起きた、百貨店受付嬢誘拐事件、犯人も捕まり事件は収束したはずだったのに。最近まで連日報道されていた事件を、どうしても思い出せずにはいられなかった。感想は下巻で。2026/06/05
さぜん
44
25年前に起きた百貨店受付嬢誘拐殺人事件。当時の報道は噂やデマを撒き散らし、加害者だけでなく被害者とその家族から日常を奪った。山間部にある地方都市でじっと身を潜めるような生きてきた遺族にまた火の粉が降りかかる。小学生男子が行方不明になる事件は、連日のように報道されていた京都の事件と重なり、まるで予知して書いたのかと疑うほどだ。全てをかけて書き上げた一冊と言うだけに、先を知りたくて一気読み。下巻に続く。2026/04/30
kei302
42
自分は噂話をしたことはないと言い切れる人はいないと思う。噂、起点は些細なことかもしれないし、言った人には悪意がなかったのかも。前半の行方不明事件は今年3月に実際に起きた事件を想起させ戦慄を覚えた。上巻464㌻下巻432㌻の超大作、一気読み。上巻の終わり方が劇的で、下巻に進むページ送りがもどかしかった。これから読む人には下巻が手元にある状態で読み始めることをお勧めします。NetGalley 2026/06/07
shio
38
普段は穏やかな景色の町が、炎の色に変わる瞬間を目の当たりにした。無責任な噂、中傷が人を傷つけるのが目に見えた時、こんなにも恐ろしい光景なのかと身の毛がよだつ。直接人に火を投げつけるようなものじゃないか!!炎で包まれたスノードームのようになった町。小さな悪意はどこまで惨状を深めるのか。ドームの中で無力なまま絶望して立ち尽くすしかない、耐え難い苦しみ。お願いだから、これ以上はもうやめて…!と祈るばかり。そもそも、こんなに噂が燃え上がってしまうのは、土台に熾火があったからだろう。過去にこの町であった事件とは!?2026/04/21




