ウズタマ

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093864879
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

青春小説の旗手が挑む、アタラシイ家族小説

松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を前にしたある日、父親から見たこともない預金通帳を手渡される。父親の様子から、今までまったく知り得なかった人物が自分の為に大金を振り込んでいたことに感づいたが、親戚づきあいもない周作には全く心当たりがない。謎を知る唯一の人物、父親はその後脳梗塞で倒れ、昏睡状態のままだ。その人物が誰なのかを突きとめるうち、初めて、父親のこと、自身のことを全く知らなかった自分に気づき、愕然とする。
大金を自分のために用意した人物を探し始めたことにより、次々とわかっていく父親と自分の過去。そして、自分達親子が、25年前に起こったある傷害致死事件の被害者家族だとわかる。その被害者は、自分の母だった。そして、その加害者は、18歳の少年だった・・・・・・・。



【編集担当からのおすすめ情報】
ある一冊の通帳の話をしていたとき、血のつながり、家族、といった話題へと話はふくらみ、そこからこの小説は始まりました。とある一冊の通帳。そこには、過去だけではない<何か>で繋がっていたい、という熱い想いがあるのではないだろうか。色々なものが変化してきている現代、<家族>というものも、カタチを変えてきているのではないだろうか。
青春小説の旗手として、人気も実力も兼ね備えた著者が、今回は敢えて「青春小説ではない、新しいもの」に挑戦しました。旧くて新しい、イマの家族小説を、どうぞご堪能ください。

「ウズタマ」目次

序章 悪魔が彼の耳元で囁いた

第一章 今度こそ涙を流してしまう

第二章 自分ではない誰かの、声がほしい

第三章 謝らないといけないんだ

第四章 俺に復讐しに来たか?

第五章 ウズラの卵は、ないからな

第六章 血と水が入り混じった時間

終章 なんとなく、わかるでしょ

額賀 澪[ヌカガ ミオ]
著・文・その他

内容説明

周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を控えたある日、唯一の肉親である父親から、謎の通帳を渡される。“誰か”が自分のために振込を続けてくれていたことはわかったが全く心当たりがない。唯一の真相を知る父は、脳梗塞で昏睡状態に。そうなって初めて、父の過去や自分の過去も詳しく知らないことに気づく。その“誰か”を探し始めた周作は、25年前のある傷害致死事件に行く着くのだが…。小さな希望が灯る、新しいカタチの家族小説。

著者等紹介

額賀澪[ヌカガミオ]
1990年、茨城県行方郡に生まれる。日本大学芸術学部文芸学科卒業。2015年『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞受賞、その3週間後に『屋上のウインドノーツ』で第22回松本清張賞を受賞。この2冊で2015年6月末同時デビューを果たし、話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

851
読み終えて思ったことは、近いうちに塩ラーメンを食べよう!ほんのりミステリー仕立ての物語に絆とは、愛情とは、家族とはという内容が、野菜ラーメンの具がいっぱいあるように詰め込まれてました。周作の自暴自棄になるのもわかるほど、感情移入してしまうし、そして皆瀬の自分で決めたこととはいえ、苦悩と辛さもひしひしと伝わりました。素晴らしい作品でした。最後にもう一度!近いうちに塩ラーメンを食べよう!【読んだ本:通算300冊目】2018/03/13

826
読んで良かったです。血のつながりの無い家族の絆や、お互いを思いやって世代を超えて思いやる形が良かったと思います。世間って怖い、世間が正しさなら正しい選択って一体何なんだろうと考えさせられました。読了後に改めて表紙と裏表紙を見返してみるとちゃんとストーリー通りで納得な絵だなと思います。2019/01/02

starbro

812
読書メーターOF THE YEAR2018 第1位 いうことで読みました。額賀 澪、初読です。タイトルと表紙から、ほのぼのとした家族小説と思いきや、シリアスな社会派家族ミステリでした。先日のドラマ、東野圭吾の「手紙」に通ずるものがあります。納得の第1位 ではありますが、残念なことに昨年の11月出版のため、私は今年のBEST20に選びません。出版社は、自信作や良作を10月迄に発売するように。各社・雑誌・各賞等のベストもずれてしまいます。2018/12/21

ろくせい@やまもとかねよし

767
不条理な設定の物語で、読後感がすっきりしない。しかし、血縁や規則で切り分けられる家族の在り方を問う主題としては、挑戦的で興味深い内容だった。血縁を建前とする家族からの暴力と血縁と無関係に発せられる自己犠牲も厭わないおもいやり。それらを対比させ物語を綴る。自己の利己を限りなく抑制させ、血縁にこだわらず発する利他的おもいやりは心を打つしかない。しかし、そのため、他者を死に至るほど他害させても良いのか、その他者が血縁に縛られる家族なら、と問う。家族も所詮単純な人間の集合であり、その内容も個人によるのだろう。2019/06/30

鉄之助

766
タイトルと表紙が気になって読んでみた。序章はサスペンス調だったが、表紙の色調通り、実に温かい物語。家族とは? 根源的な寂しさとは? など考えさせられた。キャラクター的には、赤暖簾「桂屋」の店主が特にお気に入り。他の作品も読みたくさせる著者だった。 2019/03/09

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