出版社内容情報
孤独を見つめる作家が描いた最高傑作!
少年の頃に足を怪我し、そして母親の手で育てられたわたしは、母親に気兼ねし内向的な性格になっていた。大学で学んだ中世哲学を専攻し、大学で教鞭をとっていた。わたしは、若い頃に二つの大きな“喪失”を経験していた。 親しかった友人の謎の死。そして、恩師とも言える神父の失踪。
ある日、わたしの前に現れたのが、女子大生・真琴だった。心ざわめくわたしは、真琴に勧められるままに、神社を巡る旅に二人で行くことになる。
静かに暮らすわたしに大きな転機が訪れる。
【編集担当からのおすすめ情報】
脚本家・映画監督の荒井晴彦さん推薦コメントを寄せてくださいました。
構想6年。煌めく言葉で紡ぎ出された、著者の最高傑作です。
佐藤 洋二郎[サトウ ヨウジロウ]
内容説明
親しかった友人の謎の死。そして、恩師とも言える神父の失踪。若き日の二つの喪失を抱えて生きるわたしの前に現れたのが、女子大生・真琴だった。真琴に勧められるままに、神社を巡る旅に二人で行くことになり―。静かに暮らすわたしに大きな転機が訪れる。
著者等紹介
佐藤洋二郎[サトウヨウジロウ]
1949年、福岡県生まれ。少年時代を島根県で過ごす。『夏至祭』で第一七回野間文芸新人賞、『岬の蛍』で第四九回芸術選奨文部大臣新人賞を、『イギリス山』で第五回木山捷平文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
55
恩田陸さんの夜のピクニックでは主人公の生徒は、心引かれ胸を焦がした相手の同級生が兄であることを知ります。仕方なく切なくて爽やかなあきらめが良かった。この物語では、主人公は、心引かれ思い悩んだ女性が、亡くなった親友の娘であることをラスト近くで知ります。宗教的で堅苦しい生き方の彼の過去は生涯十字架を背負う程のものには思えませんが、神の思し召しでの真琴との出逢いで母親との関係にも光が射したラストは救いがあった。ただ、私は、宗教が過去に不幸のあった人の考えや行動を縛ること、強く影響することには少し抵抗を感じます。2016/08/22
あつひめ
54
人の心にずっとしまい込まれていた思い。時は流れても忘れることができない思い。その時の流れは山陰の神々の時の流れに沿うように美しい言葉で紡がれている。人生は言葉を探す旅。懸命に生きないとその言葉は掴めない。自分の掴んだ言葉によって私たちは生きていく…とても心に響く言葉をいただいた気がする。人の出会いはどこか定めのような気がする。その人の人生のため、または自分の人生のために出会いはある。一度も行ったことがない山陰。いつかその地に立ってみたくなった。2017/08/21
ベイマックス
38
(図書館本) ◎題名に違和感を。◎真琴と関係を結んでいたらどう展開していたか。そっちの方が面白そうな気がする。 ◎可もなく…かな。2020/03/22
あかは
38
久し振りに硬めの文章を読んだ気がする。初めは馴染めず挫折しそうだったが、朝倉と主人公の話は興味深かった。タイトルと内容がどうつながるのか今一つわからないのは読解力がたりないのか。ラストに希望を持たせているが、なんとなく中途半端な感じがした。2016/10/26
keith
21
若き頃の友人の死。恩師であった神父の失踪。今は大学教授を務めている「わたし」は教え子の女子大生と神社仏閣を巡る旅に出る。エンタメと思って読みだしたのですが全然違いました。合わなかったです。2016/09/11
-
- 和書
- 体内リズムをめぐる生物学