遙かなる城沼

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093863902
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人の絆の大切さを描いた書き下ろし時代小説

館林藩の武士である村瀬家の長男惣一郎は、弟や妹、友人と塾や道場通いを続けていたが、藩校に行くことになった弟に幼馴染みの寿太郎が乱暴し、惣一郎から離れていった。父源吾は、罪人を逃がしたことで家禄を減らされていたが、何か事情がありそうだった。そのうち成長した惣一郎は、病に倒れた父に代わって藩の仕事を行うようになる。
そんなある日、筆頭家老の岸田が殺された。表向きは、病死とされた。それは藩を二分しての内紛が背景にあり、源吾は牢破りの件もその派閥争いと関わりがあると、真相を語ったのだった。
やがて、浜田藩への国替えが決まる。嫁を迎え子どもの生まれた惣一郎は、家族とともに、主君の松平斉厚に従った。そこに故郷に帰りたいと、寿太郎からの手紙が届く――。
家族や友情の絆の大切さを歌い上げた、著者久々の書き下ろし時代小説。

内容説明

特別な才覚がないことに悩みつつも誠実に生きる惣一郎。ひとりの男の成長を人情味あふれる筆致で描きながら、愛情や友情の大切さを謳い上げる感動の長編時代小説。

著者等紹介

安住洋子[アズミヨウコ]
1958年、兵庫県尼崎市生まれ。大阪府枚方市で育つ。1999年、「しずり雪」が第3回長塚節文学賞短編小説部門大賞を受賞し、同作を含む『しずり雪』(小学館刊)でデビュー。書評家の絶賛を浴びる。2012年、『春告げ坂 小石川診療記』(新潮社刊)が、第18回中山義秀文学賞の最終候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

41
城沼に住むという青龍。 その青龍を心の中に育てている惣一郎。 常に青龍を意識して自らを律して頑張っている姿が清々しかったです。 お上に使える武士となれば、色々と騒がしい事もある中で、日々平凡に、 小さな幸せを大切に思える落ちついた暮らしをを良しとする姿勢に激しく共感しました。 父親が毎晩幼い子達の寝顔を見に来て、額に手を置いてくれた事。 お手当の効用が一生続いているようで、印象的でした。 2015/03/26

天の川

38
待ちかねた安住さんの新刊。頭脳明晰な弟、剣の腕がたつ妹。引き比べて凡庸な自分…。長男としての立ち位置を要求され、辛い気持ちを抱える惣一郎に対し、「世の役に立つ人になれ」「人は良い心がけで成長するものだ」と励ます父。弟の立身出世を妬む学友達、藩内の勢力争いに対し、父の教えを胸に愚直に精進する惣一郎の姿が心地よい。兄弟の絆が壊れることなく、むしろ深まっていくことに、寡黙な父の存在の偉大さを感じた。梅次・寿太郎の幼なじみとの交友も彼を成長させていく。安住さんの本は読んでいていつも背筋が伸びる気持ちになる。2014/12/23

カピバラ

36
悪い人が1人も出てこない、優しい時代小説。兄弟愛や、友情を感じられ、爽やかな読後感。2015/02/18

いくら

28
下級武士の子として塾と道場に一緒に通った惣一郎、梅次、寿太郎。3人の友情と成長の物語。館林の自然に育まれ、家族の愛情にも恵まれて芯のしっかりした大人に成長していく惣一郎。寿太郎との関係は現在の友情関係に投影できてわかりやすい。青龍がいたとされた城沼、絢爛の躑躅の風景はどのようなものだったのだろう。2016/06/20

むつこ

25
一緒に学び育っても大人になれば立場が変わる。それでも幼いころ見た情景は変わらずその場所にあり、心根も簡単に変わるものではない。そんな幼馴染たちと兄弟妹の人を思いやる心を思い出すあたたかい友情物語。このごろ当たり前の季節の風景を改めて美しいと感じるようになり、昔の人たちは早い時期から大人にならざるを得ないのだとせつなくなった。この主人公たちの後日談が読みたいな。2015/08/08

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