弾正星

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  • サイズ B6判/ページ数 363p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863766
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「悪の爽快感」が心を蕩かす血涙必至の物語

時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くある三好家の屋敷に、その男松永久秀はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。さらには将軍足利義輝を斃し、東大寺大仏殿を焼き討ちにしてしまう。信長ですら畏れた稀代の怪人・松永弾正を突き動かすものは、野望かそれとも……!?
戦国時代を彗星のように駆け抜けた武将の生きざま・死にざまを、「弟」として仕えた丹野蘭十郎の眼を通して活写する。

芥川賞作家・花村萬月氏が小学館の月刊小説誌「STORY BOX」に連載した本作品は、戦国時代を舞台にした「悪とは何か」を問う新感覚時代小説。
皮膚感覚を狂わせる暴力に戦慄を覚え、匂い立つようなエロスに耽溺する物語世界はますます磨かれ、かつまた、悪業の限りを尽くす主人公を愛嬌たっぷりに描き、読了後に寂寥感すら抱かせる筆運びは圧巻です。「突き抜ける悪の爽快感」はまさに花村文学の真骨頂といえます。

【編集担当からのおすすめ情報】
直木賞作家・桜木紫乃さんも感涙絶賛!!
以下の推薦コメントを寄せていただきました。

「とんがって、とんがって、まだ尖り続ける
花村萬月美学の最先端――。
悪とエロス、すべての男と女におくる魂の物語。
理解を超えて突き刺さる、
この愛と情を全身で受け止めろ!
できぬなら、愚かしく惨めに生きるしかない!」

また本作品には、「熱いうちは二流」「信じることは、怖いこと」「案ずるな。死ぬまで生きる」「沈黙は罪なのだ」「いちばん大切なのは抑えることや。待つことや」「死ぬ瞬間こそがすべて」等など、会話の中に散りばめられた“人生訓”も読みどころです。

内容説明

時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くにある三好家の屋敷に、その男はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。信長ですら畏れた稀代の梟雄・松永弾正久秀を突き動かすものは、野望かそれとも…!?「悪の爽快感」が支配する血涙必至の物語。

著者等紹介

花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年、東京生まれ。1989年、『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

148
図書館本。面白かった。梟雄松永弾正久秀。東大寺大仏を焼き払い、将軍義輝を殺すなど常識を逸した生き様をエロスを絡めて描いてました。時折見せる憂いなど別の一面があり、脚色満載だと思いますが、感心しながら読ましていただきました。2015/01/01

yoshida

116
前半生に謎の多い松永久秀。梟雄として知られる戦国大名である。弟分である蘭十郎により描かれる松永久秀の生涯。やはり花村萬月さんの作品だと思う。尖る暴力と性愛。普通の人物である蘭十郎が、悪の権化である松永久秀に気に入られるのは花村萬月さんの作品で良く見られる構成ではある。松永久秀の先見性。そして将軍を廃し、大仏殿を焼く姿は信長の手本となった。松永久秀自身は影で糸を引くフィクサーとして権力を握る。直接に権力を握る信長との、権力へのアプローチの違いがあったと分かる。梟雄の興廃と哀切がある、興味深い作品であった。2020/03/23

hit4papa

79
戦国の梟雄松永久秀の20代から死までを、義兄弟の蘭十郎の目から描いた作品です。久秀が理不尽に殺人を犯す日の出だしの鮮烈さは、「出ましたマンゲツ!」なのですが、読み進めるうちに、普通の歴史小説になってしまいました。時の流れが早すぎで、久秀に対する思い入れが不完全燃焼です(女性がらみのエピソードが過剰でしょうか)。織田信長と対峙するシーン等、所々、ワクワクしはするのですが。結局、悪漢小説ではなく、友情物語であったのです。もっと、著者らしい、ノワール感 が欲しいですね。しめくくり方は良いのですが、何か残念。2019/08/16

BlueBerry

76
ちょっと風変わりな戦国武将物。合戦メインではなくて従者が語る武将の日常メインで出世とか合戦とかは後半まで脇役的な扱いで物語りは進みます。奔放でどうしようもない奴だけれど憎めないキャラクターに仕上がっている。序盤、ちょっと戸惑いましたが話が進むに連れて面白くなっていきました。新鮮味はあったので、その点の評価は高め。序盤△中盤◎ラスト○総合◎2014/08/28

眠る山猫屋

42
久々の花村萬月作品。時代小説も書いていたのですね。鮮烈な“悪”を描く、みたいな帯でしたが、非常に人間臭い義兄弟の物語。花村作品では『笑う山崎』や『皆月』が最高傑作だと思うのですが、その域には僅かに及ばず、といったところでしょうか。前半の狂気たぎるような松永久秀の得体の知れなさが、後半では歳を経て人間臭さに変わってしまって、それがなにより哀切。ひたすら尽くす蘭十郎もとても人間臭い。読み終わってみて、この義兄弟の繋がり方に憧れさえ感じてしまっていたようです。2015/10/14

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