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気骨稜々なり

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  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863650
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

秀吉の朝鮮出兵に異を唱えた博多商人の生涯

島井徳太夫、のちの島井宗室は博多に生まれたが、幼くして両親を失い、17歳にして朝鮮に渡った。朝鮮で掘り出し物の茶道具を買い付け、それを数寄者に売って博多で有力な商人になっていった宗室は、対馬や堺へと商売を広げ、妻を娶り、自身で永寿丸という船を持つようになった。
博多を治める大友義鎮や宗麟とも、宗室は交わるようになる。さらに、織田信長に、そして信長の意向を継いだ羽柴秀吉に近づく。荒廃した博多を最後に復興したのは秀吉だったが、秀吉は朝鮮出兵を見据え、朝鮮との窓口になっている対馬の宗氏に使者を命じる。朝鮮国王に家臣になるように、ならなければ攻撃する、と。
「博多は、古来より大陸との交易で栄えた湊にござります。大陸とのつながりは、申してみれば博多の生命線。それを断ち切るような戦いは、関白さまであろうと誰であろうと、断じて起こさせてはなりますまい」
宗氏とともに朝鮮との交渉にあたり、戦火を交えないように工作をした宗室だったが、息子鶴松の死がきっかけになり、秀吉は朝鮮出兵を決断。急遽石田三成に呼び出された宗室は、秀吉に出兵を思いとどまらせるように諫めてほしいと言われたのだが――。

内容説明

九州を平定し、荒廃した博多を最後に復興した秀吉には、大明国制覇の野望があった。大陸との交易で栄えてきた商人として、対馬の宗氏とともに戦火を交えぬための工作をした宗室だったが、秀吉は息子鶴松の死をきっかけに朝鮮出兵を決断。宗室は石田三成に密かに呼び出される。名だたる戦国武将たちと渡りあいいくさなき世を求めた、気骨溢れる商人を描く。

著者等紹介

火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年新潟生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て作家デビュー。直江兼続を描いた『天地人』が2009年NHK大河ドラマの原作になり、同作は第13回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なゆ

40
「博多をいかなる権力者にも支配されぬ、あきゅうどの町にする」戦国の世の習いで、たびたび戦火に焼きつくされる博多を守ろうとする、博多の商人島井宗室の生き様。茶道具の目利きを武器に、名だたる武将と結びつきを深め、ついには信長、そして秀吉に博多の復興・保護の約束をとりつけるまでに。権力には屈しないはずが「楢柴」では曲げざるを得なかった時の、茶室を叩き壊した悔しさが…。果たして秀吉とは利用したのか利用されたのか。最後の〝あきゅうどの意地〟はスカッとした。九州の戦国動乱もよくわかり、読み応えたっぷりの一冊でした。2014/09/27

いくら

24
博多商人島井宗室の生涯を描いた作品。織田信長や豊臣秀吉が活躍する戦国の世で武士とは一線を画した利だけではない商人の生き方を貫いた人物。最後が駆け足のような描き方だったような。2014/02/08

あっこ

15
骨太な商人の話で面白かった。乱世では、宗室くらいの気概と大胆さがなければ人より抜きん出た事は出来なかったのだろう。誰にも媚びない宗室の姿勢は、凛としてかっこよかった。2013/12/20

007

14
★★★☆☆ 博多の繁栄に尽力した島井宗室。信長、秀吉ら大物権力者にへつらうことなく対等に渡り合った生粋の商人で、それだけの才覚と財力があった。先月肥前名護屋城博物館特別展で秀吉の茶器など色々見てきたばかりだったので、とても興味深く読めました。作中の「楢柴肩衝」の行方が気になって調べたところ、 秀吉→家康→焼失でした。モッタイナイ。表紙の図も名護屋城博物館蔵。2013/11/28

ren5000

13
島井宗室という名前はこの本を読むまで全然知りませんでした。商人にスポットをあてたこの話は新鮮で面白かった。人物的にもかなり魅力的な人で興味深く読めましたが、晩年はちょっと尻すぼみな感じがしてやっぱりこの時代の武士に比べて商人の限界というか悲哀を感じました。2014/06/08

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