出版社内容情報
秀吉の朝鮮出兵に異を唱えた博多商人の生涯
島井徳太夫、のちの島井宗室は博多に生まれたが、幼くして両親を失い、17歳にして朝鮮に渡った。朝鮮で掘り出し物の茶道具を買い付け、それを数寄者に売って博多で有力な商人になっていった宗室は、対馬や堺へと商売を広げ、妻を娶り、自身で永寿丸という船を持つようになった。
博多を治める大友義鎮や宗麟とも、宗室は交わるようになる。さらに、織田信長に、そして信長の意向を継いだ羽柴秀吉に近づく。荒廃した博多を最後に復興したのは秀吉だったが、秀吉は朝鮮出兵を見据え、朝鮮との窓口になっている対馬の宗氏に使者を命じる。朝鮮国王に家臣になるように、ならなければ攻撃する、と。
「博多は、古来より大陸との交易で栄えた湊にござります。大陸とのつながりは、申してみれば博多の生命線。それを断ち切るような戦いは、関白さまであろうと誰であろうと、断じて起こさせてはなりますまい」
宗氏とともに朝鮮との交渉にあたり、戦火を交えないように工作をした宗室だったが、息子鶴松の死がきっかけになり、秀吉は朝鮮出兵を決断。急遽石田三成に呼び出された宗室は、秀吉に出兵を思いとどまらせるように諫めてほしいと言われたのだが――。
内容説明
九州を平定し、荒廃した博多を最後に復興した秀吉には、大明国制覇の野望があった。大陸との交易で栄えてきた商人として、対馬の宗氏とともに戦火を交えぬための工作をした宗室だったが、秀吉は息子鶴松の死をきっかけに朝鮮出兵を決断。宗室は石田三成に密かに呼び出される。名だたる戦国武将たちと渡りあいいくさなき世を求めた、気骨溢れる商人を描く。
著者等紹介
火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年新潟生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て作家デビュー。直江兼続を描いた『天地人』が2009年NHK大河ドラマの原作になり、同作は第13回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- たったひとつの恋