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兄―かぞくのくに

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863377
  • NDC分類 916
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北朝鮮に渡って行った兄と「かぞく」の物語

人生に「もしも」はない。私たちの家族のひとりが「もしも・・・」と口にした時点で、きっと私たちの間で何かが壊れる。それが「何か」はわからないけれど、私たちの誰もが、この言葉を口にしたことがない。でも私は思ってしまう。もしも兄が帰国していなかったら?(本文より)。70年代に「帰国事業」で日本から北朝鮮に渡って行った3人の兄、旗振り役の総連幹部として息子を送り出す父と母。そして日本に残った私。国家や思想によって引き裂かれていく「かぞく」の姿を通して、「家族」とは何か、「国」とは何かを問いかける作品です。8月4日公開の映画「かぞくのくに」(第62回ベルリン国際映画祭アートシアター連盟賞受賞)の原作本として監督ヤン・ヨンヒ氏が自らの体験をもとに書き上げた真実の物語。

【編集担当からのおすすめ情報】
近くて遠い国・北朝鮮と日本。国家と思想によって振り回されていく人間と家族。けして歴史の教科書には描かれることのない「リアル」な人間ドラマが心を打ちます。北朝鮮をパラダイスと謳った「帰国事業」とはいったい何だったのか。記憶にない若い方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

内容説明

私には三人の兄がいる。兄は北朝鮮にいる。「帰国事業」で北朝鮮に渡っていった兄と私と「かぞく」の真実の物語。感涙のドキュメンタリー・ストーリー。

目次

新世界より―テドンガンでコノ兄は叫んだ
君に送る最後の手紙―コナ兄のステップファミリー
白いブランコ―たった数秒のケン兄の嗚咽

著者等紹介

ヤンヨンヒ[ヤンヨンヒ]
梁英姫。1964年11月11日大阪府大阪市生まれ。在日コリアン2世。幼い頃、3人の兄が帰国事業で北朝鮮へと渡る。東京の朝鮮大学校を卒業、ニューヨークのニュースクール大学大学院修士号取得。劇団女優、ラジオのパーソナリティを経てドキュメンタリーの映像作家として作品を発表。またテレビ朝日の「ニュースステーション」ほかでリポーターを務め、世界各地を取材するなど報道番組で活躍する。97年に渡米し6年間ニューヨークに滞在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

42
先日初めてヤン・ヨンヒさんのことを知り、本を手に取りました。そしてまっすぐな文章にただただ驚き、何も知らない自分が恥ずかしくなりました。ご両親の苦悩だけでなく、それが次世代に波及するという重み。両国のはざまで苦しむ一般市民の存在にこの年になったようやく気づけた自分ですが、さあでは、未来に向けてどのような前向きな行動がとれるのだろう?と考えが発展します。考えすぎず、でも、できたら前向きに。もっと学びたいことを教えてくれた、関西のある家族の物語です。2021/09/24

eiro

14
ヤンヨンヒさん3冊目。親ガチャ、同情という言葉が浮かんだ。ある思想や最近あった宗教に憑りつかれた子どもたちの悲惨な末路だ。そもそも朝鮮総連幹部としてどんな収入があるのだろう。筆者は貧しいと書いているが、自身は米国の大学院で学び、北朝鮮へ父母は毎回百万円規模で出かけ支援している。財力のなかった帰国者はより過酷な生活を今でも強いられているだろう。これから著者と兄二人は離れていくのだろうが、兄弟が絶縁することは、取り立てて珍しいことではない。確かに末兄の提案にはぞっとしたが...。映画をぜひ見てみたい。2022/08/08

鈴木先生

13
北朝鮮への下世話な興味からこの本を手にとったけど、報道で知っている以上のことはあまりなく新鮮味は無い。それよりも、著者の両親が総連の幹部でありながら自分の息子たちを北朝鮮に送ってしまうほど北の実態を知らなかったということ?戦前の日本人が国や天皇のためと絶望的な戦いに駆り出されていったのと同じことなんだろうか?いろいろな情報にアクセスし上司の悪口を公然と言っても逮捕されたり死刑にはなったりはしないはずの現代のこの国にいることには感謝。2014/01/06

fu

12
最初から最後まで圧倒されっぱなしの衝撃的な一冊。近くて遠い国、北朝鮮を祖国とする家族の話。そう聞くだけで重苦しいストーリーが想像できて、読むのを躊躇していたが、読み始めたら止まらなかった。 著者ヨンヒさんはタテマエでなく、本音で語る。離れて暮らす三人の兄を想う気持ちは、与謝野晶子が、戦争に行く弟を歌った「君死に給うことなかれ」を思い出させた。北朝鮮にいる兄たちだけが辛いのではなく、この世のどこにも故郷や居場所と呼べるような場所が見つからず、彷徨い続けている妹だって同じように辛いことだろう。2014/03/14

ヘジン

11
ノンフィクション。著者は1964年生まれ。父親が在日朝鮮人総連合会(総連)の幹部だったため、子供たちが帰国事業に参加するのは当然の成り行きだった。両親と当時7歳だった著者を日本に残し、次兄と三兄はそれぞれ高校1年、中学3年の時に北朝鮮へ渡り、大学1年の長兄もそれに続く。著者は過去には何度か兄たちのもとを訪れているが、現在はそれもままならない。詳細を全然知らず、読んで唖然とした。もっと早く読めばよかった。祖国統一を願い、地上の楽園を目指した人たちが国家・政治に翻弄されるさまが悲しくつらく、怒りを禁じ得ない。2025/03/25

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