ＳＴＡＭＰ ＢＯＯＫＳ 住所、不定

ニールセン，スーザン【作】〈Ｎｉｅｌｓｅｎ，Ｓｕｓｉｎ〉/長友 恵子【訳】

岩波書店（2022/06発売）

• サイズ 46判／ページ数 318p／高さ 19cm
• 商品コード 9784001164244
• NDC分類 K933
• Cコード C8397

出版社内容情報

4か月前、ぼくとママはキャンピングカーで暮らしはじめた。アパートを追い出されホームレスになったんだ。ところが一時的なはずの車上生活は長引き、しだいに身も心も追いつめられていく。親友に?をつくのも、もう限界！ TV番組に出て賞金を獲得すれば何もかも解決する――ぼくはそう信じた。少年の涙と希望の物語。

内容説明

４か月まえ、ぼくとママはキャンピングカーで暮らしはじめた。アパートを追い出されてしまったんだ。ところが一的なはずの車上生活は長引き、しだいに身も心も追いつめられていく。親友にうそをつくのも、もう限界！ＴＶのクイズ番組に出て賞金を獲得すれば何もかも解決する―ぼくはそう信じた。

著者等紹介

ニールセン，スーザン［ニールセン，スーザン］ ［Ｎｉｅｌｓｅｎ，Ｓｕｓｉｎ］
１９６４年生まれ。カナダの作家。人気テレビシリーズの脚本を数多く手がけ、２００８年に『Ｗｏｒｄ　Ｎｅｒｄ』で作家デビュー、若い読者の支持を獲得する。『ぼくだけのぶちまけ日記』でカナダ総督文学賞児童書部門、カナダ図書館協会児童図書賞などを受賞。その後も作品を発表し続け、１５か国語以上で翻訳出版されている。邦訳２冊目となる本書は、『Ｗｅ　Ａｒｅ　Ａｌｌ　Ｍａｄｅ　ｏｆ　Ｍｏｌｅｃｕｌｅｓ』に続いて、カーネギー賞のロングリスト作品に選ばれた。バンクーバー在住

長友恵子［ナガトモケイコ］
翻訳家。エツセイスト。訳書に『中世の城日誌』（産経児童出版文化賞ＪＲ賞）他がある。紙芝居文化の会運営委員。やまねこ翻訳クラブ会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[星落秋風五丈原]

11月27日午前12時5分、フィ―リックスは警察のリー巡査に回答を録音されながら答えている。12歳9か月の子供が起きている時間ではない。保護者の同席もなく警察が子供を尋問して良いわけではない。なぜこんな事になっているのか。SOSを出せない人達は、簡単に悪者たちの標的になる。映画『こどもしょくどう』でも子供たちだけが住んでいたバンが、通りかかった悪童達に壊されるシーンが登場したが、本編にもひやっとする場面がある。舐められているため社会のサポートを受けられないだけでなく、暴力の被害者となる可能性がある。

2023/02/13

[しんい]

図書館でのヤングアダルトおすすめ本は面白いことが多いが、本書も期待にたがわず面白い。Fixed Addressって何気なくとらえていたけど、ここまで住所不定になってしまうと、住民票のない世界（世界の多くの国）ではなおさら、家族的関係の薄い人には生きづらいことがわかった。子ども向けということもあり、いちおう救いのあるオチになっているのも救いだが、最後の最後までどうなっちゃうの？と楽しみながら読みました。

2023/04/15

[かもめ通信]

もうすぐ１３歳になるフィーリックスは、母親アストリッドと二人でバンクーバーで暮らしている。どのあたりかを説明するのは難しい。なぜって寝る場所はその日によって違うから。もちろんこれは一時的なこと。アストリッドの仕事が見つかるまで、どこか手頃な家賃のアパートが借りられるまで…。けれどもそんな生活が、ひと月、ふた月と続くことになり、住まいどころか、食べるものにも事欠く始末。そのうえ、この窮地を脱するためにとアストリッドがつぎつぎ繰り出す「工夫」もまた、フィーリックスの心を追い詰めていくのだった。

2022/07/21

[プル]

子供向けの本だと思いますが、大人にもいい本です。 途中、夢中になりすぎて、降りる駅を逃しました。

2023/02/20

[よしじ乃輔]

母親の失業やあれやこれやで、母と二人車上暮らしとなった13歳フィーリックス。住所を求められる時には機転を効かせながら凌いでいくけれど、食べるものも無く清潔さも保てなくなり段々と辛いことも多くなり。親側はなぜか公的支援を求めないケースがあるようで、この物語でもそうなんですね。子供と離れたくない思いと辛い思いをさせている現実。自分ならどうするか、と親側の立ち位置に目が離せなくなりました。主人公が善悪の観点をもって母親のした事をちゃんとジャッジしている点に聡明さに救われた気持ちに。

2023/05/18