震える牛

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863193
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

平成版『砂の器』誕生!

警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。初動捜査では、その手口から犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。田川は事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直し、犯人が逃走する際ベンツに乗車したことを掴む。ベンツに乗れるような人間が、金ほしさにチェーンの居酒屋を襲うだろうか。偶然同時に殺害されたかに見える二人の被害者、仙台在住の獣医師と東京・大久保在住の産廃業者。田川は二人の繋がりを探るうち大手ショッピングセンターの地方進出、それに伴う地元商店街の苦境など、日本の構造変化が事件に大きく関連していることに気付く。
 これは、本当にフィクションなのか?
 「地方」の現状を描くことであぶり出させる、日本の病巣!
 衝撃のミステリーエンターテイメント大作!



【編集担当からのおすすめ情報】
平成版『砂の器』の看板に偽りなし!
間違いなく、相場英雄さんの過去最高の傑作にして、代表作!
この限りなくノンフィクションに近いフィクションを、
一般目線に近い書店という「メディア」が
命を賭すぐらいの気持ちで売らなきゃ嘘だと思います。
読後、身震いしました。
――さわや書店上盛岡店・松本大介さん

内容説明

消費者を欺く企業。安全より経済効率を優先する社会。命を軽視する風土が、悲劇を生んだ。超弩級、一気読みエンターテイメント。

著者等紹介

相場英雄[アイバヒデオ]
1967年新潟県生まれ。2005年に「デフォルト(債務不履行)」で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。現在、JBP(ジャパン・ビジネス・プレス)にて、「ニッポンビジネス・ナナメヨミ」連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ウッディ

383
初動捜査を誤り未解決だった殺人事件の再捜査を命じられた田川刑事は、被害者である廃品回収業者と獣医の背景を調べるうち、単純な強盗殺人ではなかったことを知る。地道な捜査から明らかになる食品偽装という大企業の闇をあぶりだす社会派ミステリー。企業が倫理を失い一線を越えて提供する安くて旨い物は恐ろしい。「震える牛」というタイトルは比喩ではなかったんですね。ラストのどんでん返しを知り、プロローグを読み返すと著者の想いが伝わってきます。読み応えのある内容で、分厚い手帳の内容が刑事の思考を表しているようで面白かったです2019/02/14

文庫フリーク@灯れ松明の火

361
「どれだけ無駄足を踏んだかで捜査の結果が変わってくる」この言葉を体現するかのような継続捜査班・田川警部補。肥後守で削った鉛筆で現場周辺の聞き込み・事件関係者の繋がりを徹底的に洗い、膨大なメモを取る。アナログ捜査の猛者は通称「地取り鑑取りの鬼」と呼ばれ、2年前の不良外国人による居酒屋での強盗殺人事件を追う。刑事物で有りながら捜査の過程で暴きだされるのは、大型ショッピングセンター等、大型店舗の焼き畑ビジネスと、安全性度外視・利益最優先の加工食品の実態。チェーン店居酒屋の安価なハンバーグ。元生産課長の小松が→2013/09/26

えむ

265
血の轍に次ぎ相場英雄氏2作目の読了。警視庁捜査一課継続捜査班の田川のもとに二年前に起きた未解決案件『中野駅前 居酒屋強盗殺人事件』が持ち込まれる。捜査を開始すると「逆手持ち」「モツ煮」「豪勢な宿」「ベンツ」と新たな謎が浮かび上がる。他の作者にみられる刑事の閃きではなく一つ一つが見事に繋がっていく筋に満足しました。30532014/02/12

kinkin

235
面白さに一気読み! 中盤から俄然と面白さが増す。内容は伏せます。おすすめの1冊。ぜひ。2014/03/27

つーこ

184
「これ読んだら総菜買えなくなるよ」と先に読んだ主人に言われたので覚悟して読んだんですが、衝撃は想像以上に大きかった。『雑巾』という言葉が胸に突き刺さった。消費者をばかにしているような食品加工の実態。だけど、安い物に列をなすのも現実の消費者でもある。商品と値段と産地、今まで以上に自分の頭で判断して物を選ぶ必要があると思った。リアリティのあるラストも衝撃でした。2013/07/25

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