出版社内容情報
人を最期に救うのは、医学か宗教か
いままで数々の末期がん患者を看取ってきた、内科医であり、僧侶でもある田中雅博氏は、自身も末期がんになり、余命数か月と自覚しています。その彼が「いのちの苦しみ」との向き合い方を説く本書は、長年ひとの死を間近で見てきたこと、そしていま「自分の番」が来たことについての実感が深く込められているため、とても重く響いてきます。
医学の限界を知った彼は、宗教こそが人が死と向きあったときに救いになると語ります。宗教というのは仏教やキリスト教だけでなく、自分のいのちより大切なものを見つけたとき、それがその人自身の宗教になるのです。
「命がなくなることに対する苦しみと直面する、その『いのちの苦』から救われるには、『自分への執着』を捨て、どんな人生であったとしても、そこに価値があったと考えて『自分の人生の物語』を完結させるしかない」と、田中氏は言います。
人間であれば誰しも逃れることのできない生と死の見つめ方の本質を教えてくれる一冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
死について医師が説いた本はこれまでに数多あります。
死について宗教者が説いた本もこれまでに数多あります。
しかし、医師として、僧侶として、死を間近に見てきた者が、自らの死を前にして「いのちの苦しみ」について語り、医学や宗教のあり方を訴える。
そのような本は、おそらくこれまでになかったことでしょう。
田中氏は自分の考えを残そうと、体調が悪化するなか、この本作りに尽力してくださいました。
内容説明
「死ぬのが怖くなくなる」人を最期に救うのは、医学か宗教か―余命3か月を生きる。
目次
序章 いのちの苦しみとどう向き合うか(「いのちの苦」から人を救うことは医者にはできない;「自分の番が来たか」と考える ほか)
第1章 そもそも死とは何か(いのちの危機にさらされている今がチャンス;私にとっては最期のチャンスがやってきた ほか)
第2章 最期に人を救うのは医学か宗教か(民間療法に騙されてはいけない;いのちの苦しみを緩和するのは宗教者 ほか)
第3章 人生の物語をどう完成させるか(いのちよりも大事な価値あるものを宗教と言う;むしろ死ぬことが楽しみだ ほか)
著者等紹介
田中雅博[タナカマサヒロ]
1946年生まれ。栃木県益子町の西明寺に生まれる。東京慈恵医科大学卒業後、国立がんセンターで研究所室長・病院内科医として勤務。その後、大正大学で仏教を7年間学び、その間に西明寺を継いだ。90年に境内に入院・緩和ケアも行なう普門院診療所を建設、内科医、僧侶として患者と向き合う。2014年10月に最も進んだステージのすい臓がんが発見され、余命数か月であることを自覚している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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