出版社内容情報
たとえば、金融機関に投下された公的資金はなんと7兆5千億円。これだけの巨額のお金があれば、いったいどんなものが買えるのか、考えたことがありますか? ?村上龍。ニュースや新聞で報道された数字から、お金の価値をイメージできるユニークな絵本です。
「この絵本のヒントとなったのは、去年の春頃の新聞の経済欄だった。その日の経済欄では、故・山一証券の簿外債務の発覚とその額がトップ記事だった。金額は約二千三百億円である。そして、そのすぐ下に、ロールスロイス社の売却の記事があった。ロールスロイス社がBMW社に七百五十億円で売却か?(結局そのあと売却先が替わりVW社が九百五十億円ほどで買った)というものだった。ロールスロイスは超高級車だが、七百五十億円というのはもちろんロールスロイス一台の値段ではない。飛行機のエンジンも作っているロールスロイス社を、その社屋や工場や研究・開発施設、さまざまなパテントやノウハウを含めた諸権利、技術者や熟練労働者、販売網や顧客リスト、それにブランドイメージを含めてすべて手に入れることができるわけだ。その売却額が一千億に満たなかった。山一証券の簿外債務の二千三百億円という数字はいったい何なのだろう、と思ったのである。金融機関・企業の不良債権や債務の額は、それがあまりにも巨大なので、いったいどのくらいのものなのかイメージできなかった。また、そういう巨大な数字に麻痺している自分に気づいたのだった」?村上龍(本文より)
内容説明
この絵本は「知る」ためのものである。十億円という金はいったいどのくらいの価値があるのか。十億円あれば何が買えるのか。百億円、一千億円、一兆円、十兆円、百兆円だったらどうか。毎日毎晩新聞で目にし、ニュースで読み上げられるそういった数字を実感としてイメージできるようにという目的で、この絵本は制作された。
目次
「知る」ということ
対談(村上龍;植草一秀)
日本興業銀行公的資金投入額 6000億円
第一勧業銀行公的資金投入額 9000億円
さくら銀行公的資金投入額 8000億円
富士銀行公的資金投入額 1兆円
住友銀行公的資金投入額 5010億円
大和銀行公的資金投入額 4080億円
三和銀行公的資金投入額 7000億円
東海銀行公的資金投入額 6000億円〔ほか〕
感想・レビュー
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cray358