あの金で何が買えたか―バブル・ファンタジー

あの金で何が買えたか―バブル・ファンタジー

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  • サイズ B5判/ページ数 103p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784093793926
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

たとえば、金融機関に投下された公的資金はなんと7兆5千億円。これだけの巨額のお金があれば、いったいどんなものが買えるのか、考えたことがありますか? ?村上龍。ニュースや新聞で報道された数字から、お金の価値をイメージできるユニークな絵本です。

「この絵本のヒントとなったのは、去年の春頃の新聞の経済欄だった。その日の経済欄では、故・山一証券の簿外債務の発覚とその額がトップ記事だった。金額は約二千三百億円である。そして、そのすぐ下に、ロールスロイス社の売却の記事があった。ロールスロイス社がBMW社に七百五十億円で売却か?(結局そのあと売却先が替わりVW社が九百五十億円ほどで買った)というものだった。ロールスロイスは超高級車だが、七百五十億円というのはもちろんロールスロイス一台の値段ではない。飛行機のエンジンも作っているロールスロイス社を、その社屋や工場や研究・開発施設、さまざまなパテントやノウハウを含めた諸権利、技術者や熟練労働者、販売網や顧客リスト、それにブランドイメージを含めてすべて手に入れることができるわけだ。その売却額が一千億に満たなかった。山一証券の簿外債務の二千三百億円という数字はいったい何なのだろう、と思ったのである。金融機関・企業の不良債権や債務の額は、それがあまりにも巨大なので、いったいどのくらいのものなのかイメージできなかった。また、そういう巨大な数字に麻痺している自分に気づいたのだった」?村上龍(本文より)

内容説明

この絵本は「知る」ためのものである。十億円という金はいったいどのくらいの価値があるのか。十億円あれば何が買えるのか。百億円、一千億円、一兆円、十兆円、百兆円だったらどうか。毎日毎晩新聞で目にし、ニュースで読み上げられるそういった数字を実感としてイメージできるようにという目的で、この絵本は制作された。

目次

「知る」ということ
対談(村上龍;植草一秀)
日本興業銀行公的資金投入額 6000億円
第一勧業銀行公的資金投入額 9000億円
さくら銀行公的資金投入額 8000億円
富士銀行公的資金投入額 1兆円
住友銀行公的資金投入額 5010億円
大和銀行公的資金投入額 4080億円
三和銀行公的資金投入額 7000億円
東海銀行公的資金投入額 6000億円〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

プル

12
1999年出版本。日本の銀行に、公的資金がこんなにも使われたのかと驚く金額。その頃から言われていたけれど、一般市民には、何にも利益をもたらさず、のうのうと銀行員はそのままのサラリーをもらえていいよね、我々より、利回りもいいんでしょう?的な陰口をたたかれていた。それに対し、その金額は、何に相当するのか簡単なざっくりとした試算(特定の障害のある人が何人助かるか等)をして対比させている。今は円安で物価高。ここにある金額以上の値段がつくのだろう。世の中のお金持ちさん、不条理な障害を取り除いてください。2023/09/18

そ吉

3
80年代後半から90年代初頭にかけての不動産バブルが何をもたらしたか?もし、そのお金が他に使われて空いたら、というコンセプトで書かれた本。 欧米ではよく環境教育とかで、あったかもしれない100の未来的な啓発本があるがその様なスタイルの本は日本では珍しい時代の本。 書かれている事件は、結構今でも記憶しているが、今にして思うともっと桁の大きなとんでもないことになっていた様に感じていた。 ここではあのお金があったなら的な愚痴のような内容で止まっているが、社会の中のお金の使い方は今こそ必要な教育だろう★★☆☆☆2024/09/07

葉っぱ

3
大手銀行への何千億円もの公的資金投入額や負債額の金で一体どんなものを買ったり出来たりするかをなんとなく簡単に解説してくれる本。15年くらい前の本のようなので今とは少し違ってるのかもしれないけども。あまりにもすごい金額なので読んでてお腹一杯な気分になるけど、勉強になった2014/05/14

きらきら♂

3
20世紀末ロールスロイス社が950億円で売却されたそうだ。著者は1000億円に満たない額でロールスロイス社の全てが買えるという事実を知り、それではバブル後に金融機関の救済に投入された数十兆円という天文学的な金額で何が買えたのかを紹介する事で、私達にその金額のすごさと言うものを身近に想像させてくれた。そしてその責任者達が刑事罰にも問われる事もなくいるという事も指摘している。そしてもし巨悪が存在するとしたら、彼らに一番の脅威となるのは、大衆が事実を「知る」という事だと述べている。是非お勧めしたい絵本だ。2013/01/03

cray358

2
あることをやる為の費用とバブルがはじけて発生した費用を比べている本。発想はすごく好き。ただしバブルの話になるので今とはかなり費用が違うのではないかと感じた。これをもう一回現代バージョンで書いてくれたら迷わず買う。2014/07/15

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