出版社内容情報
北は北海道・網走から南は沖縄・台湾まで、各地に伝わる独特の釣りを訪ね、秘められた先人の知恵を発掘。同時に壊れゆく水辺の現状の警鐘を鳴らす。驚きと怒りに満ちた異色の「釣り」の本。
世は釣りブームである。ちょっと前までは「しょせんオヤジの趣味」だったものが、いまやあまたの芸能人をも巻き込んで、空前絶後のもてはやされぶり。雨後のタケノコのごとく出版される釣り雑誌には、テクニックや釣り場紹介の記事が並ぶ。どこに行くと釣れる、こうやればあなたも釣れる、オレはこんなに釣った、などとやかましいことこの上ない。それって、なんかヘンじゃないか? 釣りの楽しみって、他人よりも多く釣ることなのか? 新たな「テク」を学んで「上達」するのが楽しいのか? 本書は、月刊BE-PAL誌上に連載された「太公望の杖」の単行本です。釣りを通行手形としつつ、その向こうにサカナの不思議な生態を垣間見る。伝統的かつ奇抜な釣りを訪ね、そこに込められた先人の知恵を探り出す。釣ったサカナを食べ、その味に水辺の危険信号を見出す……。著者の好奇心は、釣りにとどまることなく、無限に広がっていきます。この広角レンズのような視点こそ、流行のバスフィッシングやキャッチ&リリースの釣りに、欠けているものではないでしょうか。釣りブームへの明快な反論として、そして釣りの豊かさを再発見する旅物語として、楽しく読める本です。
内容説明
月刊BE‐PALに好評連載!各地に伝わる独特の釣りを訪ね、秘められた先人の知恵を発掘すると同時に壊れゆく水辺の現状に警鐘を鳴らす驚きと怒りに満ちた異色の「釣り」の本。
目次
網走・キュウリの穴釣り
松島・ハゼの数珠子釣り
粟島「島民釣り大会」
信濃川のイトヨ釣り
常磐沖の渡りダコ
北浦のタナゴ釣り
ヒガイと霞ヶ浦
利根川のボラ掛け
大原のショウサイフグ
三番瀬の五目釣り〔ほか〕