出版社内容情報
『日本の古典をよむ』シリーズ第9回配本。1300年前に誕生した日本最古の歌集『万葉集』全四千余首より、代表歌317首を収録。生きる歓び、人生の哀しみ、恋、そして別れ――。はじめて日本語で歌をうたう若々しさが全篇に溢れる。
小島 憲之[コジマ ノリユキ]
翻訳
木下 正俊[キノシタ マサトシ]
著・文・その他
東野 治之[トウノ ハルユキ]
著・文・その他
内容説明
生きる歓び、人生の哀しみ、恋、そして別れ―。日本語でうたう喜びにあふれた若々しき万葉の歌声。歌の魅力をそのままにわかりやすい現代語訳と解説ですらすらよめる新編集。
目次
巻第一
巻第二
巻第三
巻第四
巻第五
巻第六
巻第七
巻第八
巻第九
巻第十
巻第十一
巻第十二
巻第十三
巻第十四
巻第十五
巻第十六
巻第十七
巻第十八
巻第十九
巻第二十
著者等紹介
小島憲之[コジマノリユキ]
1913年、鳥取県生れ。京都大学卒。上代文学専攻。大阪市立大学名誉教授。1998年逝去
木下正俊[キノシタマサトシ]
1925年、福岡県生れ。京都大学卒。上代文学専攻。関西大学名誉教授
東野治之[トウノハルユキ]
1946年、兵庫県生れ。大阪市立大学卒。日本古代史専攻。奈良大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
44
『言の葉の庭』『文学少女』と読んでいたら、久しぶりに読みたい気分になったので。古今和歌集や新古今和歌集に比べると、直接的な表現が多い。大らかであると同時に品という部分ではやはり欠けるのかも。けれどその分可愛いなーと思う。文学少女や万葉秀歌に載ったものの他、「我が背子が着せる衣の針目落ちずこもりにけるらし」好きな人の肌の一番傍に居たいという気持ち。ふふふっと微笑みたくなります。「道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや」言っていいんじゃないでしょうか。だってそれが、運命なのかもしれませんから。2017/04/23
かんやん
35
五-七の定型を持つ和歌は、律令・都城・史書など、集権的な国家体制の成立とともに生み出されてきたという。内在的なリズムを持つ和歌の形式は、宮廷内部で意図的に作られたとか。あまりに体に刻まれてるので、疑わしくも思う。五-七調はともかく、表現は法とは異なる。神話的叙事から叙情へ、「うまし国」を寿ぐことから世の中を「空しきもの」「憂し」と捉える感性へ。それにしても、たとえ凡庸なツイートであっても、それが千三百年前のものならば、人の普遍性に感動したりもするけれど、技巧を凝らした歌を味わう教養が欠けている。2023/05/28
Tadashi_N
27
万葉集は順番にできたわけではない。特定の編者もいない。男女の交歓はおおらか。2019/07/17
呉藍
14
こんなにも情緒あふれる言葉を、現代の私たちは使えるのかな。何事もストレートに真っ直ぐにと望まれる――例えばラブソングの歌詞とか。でも「好き」と言わずに“好き”を感じるって、ステキなことだと思います。言葉の広がりと日本語の美しさ、果てのなさを感じた瞬間。またきっと読み返します。2011/02/27
*^ヮ^*
4
ランクインしてる最近の恋愛ソングに、嫌気がさしてきました。万葉集は、心が洗われるくらい、美しくて、壮大でした。〈信濃なる 千曲の川の 小石も 君し踏みてば 玉と拾はむ〉にキュンとしました。古典っていいな。★★★★☆2013/05/08