出版社内容情報
『源氏物語』という作品は、11世紀の初頭、ひとり忽然と出現したのではない。古代以来のさまざまな文学伝統を豊かに汲みあげることによって、この一大古典はなった。数々のエピソードを通してさぐる、その誕生秘話。
「浦島は愚か人か」「『まめ』男を語る」「老女の恋」等々、さまざまなエピソードを語り、作者・紫式部は、いかなる文学伝統をうけつぎつつ、この一大古典を書きあげたのかを明らかにする。日本の古典文学の中で、これほど人々に愛され、語られてきた作品は、他にないだろう。いろいろな人がいろいろに読んできたこの作品に、新しい角度から光をあて、その誕生の秘密にせまる。著者の鈴木日出夫氏は、現在東大教授で、古代文学専攻。小学館版『日本古典文学全集・源氏物語』の著者の一人であり、現在『源氏』を語らせたら、おそらく当代の第一人者であろう。『源氏』を勉強している学生、また、カルチャーで『源氏』を読んでいる人たち、また一般の『源氏』愛読者で、もう少し作品に対する理解を深めたいと思っている方のための、最適なサブ・テキストになるはずです。四六判上製、カバーには、有名な『源氏物語絵巻』の東屋巻の場面をあしらって、きれいな本に仕上がっています。
内容説明
「まめ」男を語る、浦島は愚か人か―。古代文学をめぐる様々なエピソードを通じて、『源氏物語』という、日本文学史上最大の物語の誕生神話が明らかになる。
目次
第1章 語り・物語
第2章 神話から物語へ
第3章 貴種流離
第4章 光源氏像
第5章 物語の方法
第6章 和歌と詩歌引用
第7章 現実と虚構
第8章 話の種々相
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