出版社内容情報
ゴヤ等ロマン主義芸術家12人の作品と生涯
イギリス屈指の美術評論家ケネス・クラークの話題の書の翻訳出版。美術史のなかでもっともドラマティックな時代といわれる19世紀初頭に、ロマン主義が台頭し、堅苦しい古典主義に対し柔軟でいきいきとした表現様式を生み出す。この時期に活躍したゴヤ、ターナー、アングルなど12人の芸術家の作品と生涯を、豊富な図版と優れた文章で興味深く解説した名著。
内容説明
芸術におけるロマン主義とは、ある意味で永遠のものである。だが著者が本書の中心主題として取り上げた「反逆するロマン主義」は18世紀の末から19世紀にかけて西欧世界を風靡した文学芸術運動としてのロマン主義である。著者は、本書で、そのロマン主義の代表として、ダヴィットからロダンまで、13人の画家、彫刻家を選び、それぞれの芸術家の特質と歴史的意味を明らかにしようとしている。
目次
ダヴィッド
ピラネージとフセリ
ゴヤ
アングル
ブレイク
ジェリコー
ドラクロワ
ターナー
コンスタブル
ミレー
ドガ
ロダン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yosuke Saito
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『ザ・ヌード』、『風景画論』、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』といった広範な著作で知られるケネス・クラークのロマン主義を扱った著作。原著は1973年だが、著者のとっている世界観は現在のニューアートヒストリーを経た後では古く感じてしまう。フォルムを重視するモダニスム美術史観極まれりといった印象を受ける。しかし、美術作品に対して厳しい審美的価値判断を下す態度は、今日のコンテクスト主義者やリヴィジョニズムの美術史研究者が敬遠しがちなものであるが、やはり作品というものを扱う以上必要とされる重要な態度だと考えられる。2011/12/05