Shogakukan mystery
スモールボーン氏は不在

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  • サイズ B6判/ページ数 279p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093565318
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

法律事務所で煙たがられている共同資産管財人の死体が、こともあろうにその事務所の書類金庫の中から発見された! 幾つもの鍵が必要な目に立つ金庫に、誰がいつどうやって何のために仏さんを詰め込んだか?!

 ロンドンの法律事務所の書類金庫の中からある日、外遊中のはずだった顧客スモールボーン氏の遺体が発見された。事務所で煙たがられる存在だった共同管財人の彼を、なぜ、いつ、誰が、ただでさえ人目につく事務所の中で、それも開閉に多くの鍵を必要とする面倒きわまりない金庫に、どうやって詰め込んだのか? 不眠症(?)の新米弁護士ブーンは、ロンドン警視庁のヘイズルリグ刑事とコンビを組んで解決に乗りだす。 アメリカのハードボイルド作家・チャンドラーの法律顧問でもあった英国の弁護士作家が、さりげないユーモアを込めて描き出す人間パズル。20世紀ミステリの黄金時代を代表する正統的本格派ミステリの本邦初訳登場!

内容説明

ロンドンの法律事務所の書類金庫の中からある日、外遊中のはずだった顧客スモールボーン氏の遺体が発見された。事務所で煙たがられる存在だった共同管財人の彼を、なぜ、いつ、誰が、ただでさえ人目に付く事務所の中で、それも開閉に多くの鍵を必要とする面倒きわまりない金庫に、どうやって詰め込んだのか?チャンドラーの法律顧問でもあった英国の弁護士作家が、さりげないユーモアを込めて描き出した人間パズル。二十世紀ミステリの黄金時代を代表する正統的本格派ミステリの本邦初訳登場。

著者等紹介

ギルバート,マイケル[ギルバート,マイケル][Gilbert,Michael]
英国の弁護士・作家。リンカーンシャーの両親とも作家の家の生まれ。第二次大戦中、第十二連隊の砲兵中隊で北アフリカやイタリアに従軍。’43年1月北イタリアでドイツ軍の捕虜となり、そこでシリル・ヘアの法廷ミステリ『法の悲劇』(’42年)を偶然読んだのがきっかけでミステリに興味を持つ。のち収容所を脱走し連隊に復帰。この経験が後に『捕虜収容所の死』(’52年)を生んだ。二ダース以上の長編を書き、短編も多くEQMMなどに発表されている。チャンドラーの法律顧問でもあった

浅羽莢子[アサバサヤコ]
東京大学文学部卒。英米文学翻訳家。1978年「ミステリマガジン」誌上で翻訳デヴュー。その後、英米のSF、ミステリ、ファンタジーなどの分野のエンターテインメント小説を主に翻訳している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

105
英国の事務弁護士と法廷弁護士の違いはサラ・コードウェルのテイマー教授シリーズで軽く学んだが、本作のように事務弁護士オンリーのミステリは珍しい。そしてギルバートがコードウェルを高く評価しているのが嬉しい。普通は法廷弁護士。英国らしい渋みと軽みを併せ持つユーモア系。不眠症で数字に強いブーンとおちゃらけ弁護士コーヴの組み合わせが良い。軽いおしゃべりが意外な伏線に。それにしてもこの程度の動機で殺人までに至るかな。2019/12/14

Panzer Leader

47
ロンドンの大手法律事務所の書類金庫から顧客である人物の遺体が発見された。主席警部と共通の友人を持つ新人弁護士が捜査に協力する。この新人君が不眠症の天才的頭脳の持ち主って怪盗タナーみたいでとってもキャラがたった好人物。殺人事件なのに暗い雰囲気もなく、フーダニイットの本格派かつ、くすっと笑いながら話が進むユーモア・ミステリー。70年前とは思えないほどしゃれた雰囲気を持つ作品。2019/05/16

ネコベス

26
法律事務所の書類保管箱の中から絞殺された顧客のスモールボーン氏が発見された。事務所内部の者による犯行と見られたが、やがて第二の被害者が出る。新人弁護士のブーンが殺人事件の謎に挑む。謎解き要素はそれほどでも無いが、育ちが良くて品のあるさわやかな探偵ブーンや女秘書同士の悪口の言い合い、おしゃべりな先輩弁護士コーヴのユーモラスな語り口等、ストーリーの本筋から外れた軽妙な会話のやり取りが楽しいミステリ。2019/03/04

maja

19
何の問題もなさそうな法律事務所の書類金庫から箱詰め状態で顧客の死体が発見された!晩餐会に集う事務所メンバーたちの様子が語られて登場人物相関図が一気に広がる幕開け。弁護士、秘書たち、スコットランド・ヤードの面々が群れたり散ったり、不眠症の新人弁護士ブーンがスコットランド・ヤードの主任警部に協力して謎を追うがそうしているうちに再び殺人が・・。熟れた軽妙な語り口で群像劇を見るようでなかなかに楽しい。再読。 2024/03/16

UPMR

2
法律事務所の書類保管箱から死体が飛び出すというインパクト抜群の事件。その専門用語飛び交う法律事務所内の軽妙な描写はまさに作者の面目躍如か。フーダニットとしてはオーソドックスで特筆すべきほどの個性はないが、一方でキャラはユーモラスに個性付けられ、特にシリーズ探偵のヘイズルリグ警部に次ぐ第二の探偵役として描かれる超人じみたブーンとお調子者のコーヴとの軽口が楽しい。古典的な本格ミステリでよく見られる、意外なほど終わり方があっさりしている感じは例に漏れないが、その軽さが舞台と似ず本書の魅力となってはいる。佳作。2022/11/12

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