出版社内容情報
性に奔放貪欲な女子大生との”危険な情事”
夏休みを終え東京に戻った真吾は、大学の構内で年上の明美と知り合う。文学部の三年で作家志望の明美は男性未経験であり、彼女の「女になる」という希望を叶えるため、ふたりは出会ったその日に旅館に向かう。小説に活かすためなのか、男と対等以上でありたいためなのか、教材である真吾や自身の変化までも理性的に観察し、随所で質問をする明美。自意識が強く、理屈っぽい明美に多少の疎ましさを感じるも、時折いじらしくなったり、可愛いことを言ったりするその振幅の大きさに、次第に魅力を感じるようになっていく。結局、一夜限りの関係のはずがその後も逢瀬はつづき、知識欲が旺盛な明美は、ついには旅館で働く中年のキクと真吾の交歓を見学したいと言い出す。一方、新しい下宿先では、大家の孫娘・小学五年の雪子が真吾に懐くようになり、向かいの部屋には新婚夫婦が越してくる。真吾は雪子に請われるままに“小さな戯れ”の共犯者になる。
富島 健夫[トミシマ タケオ]
著・文・その他
内容説明
夏休みを終え東京に戻った真吾は、大学の構内で年上の明美と知り合う。文学部の三年で作家志望の明美は未経験者であり、彼女の「女になる」という希望を叶えるため、ふたりは出会ったその日に旅館に向かう。自意識が強く理屈っぽい明美に多少の疎ましさを感じつつも、時折いじらしくなったり、可愛いことを言ったりするその振幅の大きさや、他の女性とは一風違う個性に次第に魅力を感じるようになっていく。
著者等紹介
富島健夫[トミシマタケオ]
1931年10月25日‐98年2月5日。31年当時、日本領だった朝鮮京畿道生まれ。早稲田大学・仏文学科卒。53年『喪家の狗』が芥川賞の候補作に。河出書房に勤務しながら『黒い河』を書き下ろし同社からデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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