内容説明
食えない作家志望の青年との同棲生活を描く。「こう世間が不景気じや、あなたの勤口もあぶないもんだし、筆の方でちやんとやつて行ける自信だつて、ないんでしよう。―ね、家を持てないなら私と死んで頂戴!家を持つか、心中するか、どつちかにして頂戴よう!」いつまでたってもうだつの上がらない作家志望の青年・捨六と、浮気癖のある若い女給・時子。食い扶持を求めて小田原、名古屋、東京と転々とするものの、なかなかお金を稼げない捨六に、業を煮やした時子は心中してくれと懇願するが―。時子の独白で綴られる表題作に、久しぶりに再会した二人の一夜を描く後日談「別れた女」を併録。
著者等紹介
川崎長太郎[カワサキチョウタロウ]
1901(明治34)年11月26日―1985(昭和60)年11月6日、享年83。神奈川県出身。私小説一筋の生涯を貫く。1977年、第25回菊池寛賞を受賞。1981年、第31回芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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