P+D BOOKS<br> 誘惑者

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P+D BOOKS
誘惑者

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093523653
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

噴煙吹き上げる春まだ浅い三原山に、女子大生がふたり登っていった。だが、その後、夜更けに下山してきたのは、なぜかひとりだけ―。遡ること一ヶ月前、同様の光景があり、ひとり下山した女子大生は同一人物だった。自殺願望の若い女性ふたりに、三原山まで同行して、底知れぬ火口に向かって投身させた自殺幇助者の京大生・鳥居哲代。生きていることに倦んだ高学歴の女学生たちの心理を精緻に描き、自殺者と自殺幇助者になっていく軌跡をミステリー風に仕立てた悽絶な魂のドラマ。高橋たか子の初期長編代表作で第4回泉鏡花賞を受賞。

著者等紹介

高橋たか子[タカハシタカコ]
1932年(昭和7年)3月2日‐2013年(平成25年)7月12日、享年81。京都府出身。1985年に『怒りの子』で第37回読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

19
空襲のあとの焼け野原の東京の街と、生き物の気配もない溶岩ばかりの火山、その荒涼たる風景が彼女らの心の色だっただろうか。敗戦直後のインテリ青年の自殺で思い出すのは原口統三で、その懊悩と死がただ孤独だったのに対して、本書では三人の女性が死への親密さによって結ばれ、死への欲望を互いに模倣しあい誘惑しあって死に近づいてゆく。あらゆる価値の崩壊した戦のあと、共産主義など新思想にたやすくのりかえて器用に生き延びた人々とことなり、火口の奥底のような自らの心の奥に向ってひたすらに内省に沈潜するとき、生への執着はもはやない2021/11/21

5
15歳の時に読みたかったとも15歳の時に読んでいなくてよかったとも思った。2021/03/19

まどの一哉

3
二人の女学生が三原山へ登り帰りは一人だけ。これが二度繰り返される。けっして謎解きではないが、きわめてミステリアスな全編不穏な色合いで塗られた長編小説。 主人公鳥居哲代の抱えた深い虚無が彼女の動向のそこここに垣間見られ、人間的なぬくもりから始終引き離される。自死に至るだけのきっかけを持たない彼女が、死のうとする友人を無意識に誘導してしまうのが恐ろしく、常に冷たく感情を持たないような人間が、果たして友人をほんとうに自殺させてしまうのか、それこそミステリーを読むように緊張して読んでしまう。2022/05/14

玉露

1
階級が人と人とを近づける――。そう、同じ階級の者同士しか、本当はわかり合えないのではないだろうか。その階級への肯定否定の問題以前に、その階級のなかで物心ついて以来はぐくまれてしまった感受性は、別の階級の感受性と親密になるには、啞のような戸惑いと手術のような苦痛を感じなければならない。それがどうしていけないのだろう。2020/10/18

二階堂

1
人物設定やストーリーなど外面的なところでは(のめり込みはしたけれど)あまり良い印象を残すものではなかった。しかし自らの中にある不可知な自分への畏怖、悪魔の烙印、他人の目によって自分が霧散していく感覚、神と悪魔、死への羨望とそれに纏わる妄想などぐっと心を掴まれるような部分は数多くあり、それらはこの先の人生の中でふと反芻されそうな予感がする。きっと哲代も宮子も薫も松澤もみんな誘惑者なのだ。死の磁場。「あなたも思うでしょ、火口の中はぱあっと明るいって」p343 2020/04/29

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