内容説明
噴煙吹き上げる春まだ浅い三原山に、女子大生がふたり登っていった。だが、その後、夜更けに下山してきたのは、なぜかひとりだけ―。遡ること一ヶ月前、同様の光景があり、ひとり下山した女子大生は同一人物だった。自殺願望の若い女性ふたりに、三原山まで同行して、底知れぬ火口に向かって投身させた自殺幇助者の京大生・鳥居哲代。生きていることに倦んだ高学歴の女学生たちの心理を精緻に描き、自殺者と自殺幇助者になっていく軌跡をミステリー風に仕立てた悽絶な魂のドラマ。高橋たか子の初期長編代表作で第4回泉鏡花賞を受賞。
著者等紹介
高橋たか子[タカハシタカコ]
1932年(昭和7年)3月2日‐2013年(平成25年)7月12日、享年81。京都府出身。1985年に『怒りの子』で第37回読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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