出版社内容情報
中年女性の屈折した心理を描く「蟹」他6篇
外房海岸を舞台に、小学一年生の甥と蟹を探し求めて波打ち際で戯れる中年女性の屈折した心理を描き、第49回芥川賞を受賞した「蟹」。
ほかに、知人の子供や道端で遊ぶ子供に異常な関心を示す、子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」。
夫婦交換による男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」、「劇場」など、日常に潜む欺瞞を剥ぎ取り、その“歪んだ愛のカタチ”から、よりリアルな人間性の抽出を試みた、筆者初期の短篇6作を収録。
河野 多惠子[コウノ タエコ]
著・文・その他
内容説明
外房海岸を舞台に、小学一年生の甥と蟹を探し求めて波打ち際で戯れる中年女性の屈折した心理を描き、第49回芥川賞を受賞した「蟹」。ほかに、知人の子供や道端で遊ぶ子供に異常な関心を示す、子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」。夫婦交換による男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」「劇場」など、日常に潜む欺瞞を剥ぎ取り、その“歪んだ愛のカタチ”から、よりリアルな人間性の抽出を試みた筆者初期の短篇6作を収録。
著者等紹介
河野多惠子[コウノタエコ]
1926年(大正15年)4月30日‐2015年(平成27年)1月29日、享年88。大阪府出身。1963年『蟹』で第49回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かめすけ
1
河野多恵子2冊目。幼児狩り、蟹をまず読み、その他の作品は順繰りに。河野の作品はおおよそ、男児への執着(フェティシズムと呼べばよいのだろうか)、サドマゾ的な性行為、マジックリアリズム、母への恐れからくる嫌悪の組み合わせで出来ているが、どれも退屈することはなく、楽しんで読んだ。上記の要素を考えると異色なのが「塀の中」で、戦争を主題としている。子が死ぬところで物語が終わるのかと思いきや、ラストシーンには、これが戦争なのだとその現実を突きつけられるような気がした。男児への執着の場面になると、語り手が主人公を→2023/07/20
織沢
1
表題作ばかりを読んだ。新潮文庫版も手許にあるので其方を全て読んだ時改めて感想を書くことにする。2020/03/15